怠惰ではあるが、恩は返す。
電車が遅延した。
遅延証明書をもらおうとしたら、「遅延証明書切らしているので、別の改札へ行ってください。」と言われた。
遅延で混み合う改札内、遅延証明書を彷徨い歩いていたら出社時間になってしまった。
もしどこの改札も切らしていたら、私は何にも証明されることがなく、ただ怠惰の、遅刻した人間になってしまうと思うと、怖かった。
生きる資格のために、生きる許可の証明書がいるんだなと思った。
でも私は会社に思われている以上に怠惰な人間なので、出社が遅れるとわかった瞬間、いつもよりのんびりと会社に向かい、急ぐことなく、いつも通りにコンビニで今日のお昼ご飯と飲み物を買った。私の外面の怠惰な印象操作をなめるなよ?
最近は仕事がとても忙しい。
12月に人が辞めて、補充された人が1日で来なくなり、辞めた人の仕事をほとんど私が引き継いでいるからだ。
そして、社内でインフルエンザが猛威を奮っており、休んでる人の仕事も巻き取っている。
こういう時、私は最後まで生き残るタイプだ。
昔病院で働いていた時も、患者さんからインフルエンザが同僚がどんどん来れなくなる中、最後まで、いろんな診療科にヘルプに行っていた。
普段、体調を崩しがちな時に助けてもらってる分、ここでくらいちゃんと働きたいところである。怠惰ではあるが、恩は返す。
帰りも電車が遅延していた。朝の遅延が今でも続いているみたいだった。
30分遅れと出ていても、すぐに電車が来た。
電車の遅延は本来くる時間からみて、何分遅れてるか表示される。本来その時間に来るはずだった直近の電車から何分ずれたか、ではないんだなと思う。
遅延によって、世界の動きはどれくらい遅れてしまうんだろう。
私は乗り物がとても好きなのだけど、その1つの理由として、人は動いていないのに、勝手に進んでいく人間の時間を乗せて動くところが好きだ。
たくさんの乗り物があるこの土地が好きだ。