「人生、全とっかえ。」イマーシブフォートに行ってきた
※イマーシブフォートに行ってきた日記です イマーシブ系は些細なこともネタバレになるので些細なネタバレを気にする人は読まないでください。
イマーシブとは没入感のこと。
最近、マーダーミステリーなど、「自分自身が物語の登場人物になったかのような」没入感を体験する娯楽が流行っている。
そんな娯楽を存分に楽しめる、テーマパーク「イマーシブフォート東京」に行ってきた。
「人生、全とっかえ。」の劇的な1日を満喫できるらしい。
まず、第五人格コラボの「イマーシブチェイス」を体験した。
ハンターに見つからないように、出口の鍵を解除して脱出するというものだ。要するにお化け屋敷である。
私はホラーが苦手なので、今までお化け屋敷というものはずっと避けて生きてきたが、人生で初めてそういう施設に入った。
結局怖すぎてほぼ隠れてた。
初めてお化け屋敷に入った感想は、私は、逃れられない空間で、こわい目に遭うのが苦手で、ホラー自体が苦手ではないらしい。
自分の苦手を言語化できて嬉しかった。
館内では至る所で演劇が始まる。
館内はヴィーナスフォートを居抜ているので、海外の街中のような作りをしている。全体がセットみたいだった。
役者が声をかけてくれたりもする。
物語の登場人物として認識して声をかけてくれるのだ。
1つのシナリオの途中から観劇したので、大枠はわからなかったが、物語の世界にいる登場人物という没入感は十分に味わえた。
夜になるとハロウィンイベントの、パンデミックタイムが始まった。
館内をゾンビが練り歩き、館内全体で1つのシナリオが進行される。
一緒に行った友人が即興で演技をした時、それに対して登場人物がレスポンスをし、シナリオを楽しむ情報をくれたことに感動した。
最後に流行り始めてからずっと気になっていたイマーシブシアターに行った。
私は演劇が大好きで大小問わずいろんな劇団を日々観劇している。
演劇は基本的には結末が普遍で、演劇での世界は全て知ることができる。
しかし、イマーシブシアターは、そもそも登場人物を追いかけて観劇をするため、全てを知れるとは限らない。というか、何回か観劇しないと全てを知ることはできないシステムとなっている。
語られなかった真実ではなく、知ることができなかった真実があるのが、個人的には好きではなく、イマーシブシアターの参加料が没入感に比例して高いのもあり、なんとなく観劇する機会を逃していた。
題目は「シャーロックホームズ」。ネタバレができないので、内容については触れられないが、私が思っていたイマーシブシアターの懸念点は払拭された。
まず誤解していたのだが、結末はほぼ明らかになる。
探偵テーマで、「犯人を捕まえる」という、目的がはっきりしているので、最終的な結末は語られる作りになっているみたいだ。
そしてそれをもとに、一緒に行ったお友達と、真実にたどり着いた各々が感激した過程の物語を、終わった後に語り合うのがとても楽しい。
館内にはネタバレOKの語り合うためのスペースもあった。
演劇は、役者と観客、舞台と客席で明確な線が引かれている。
イマーシブ体験は、舞台と客席の境目がない地続きの空間。観客側にも生身の反応が許されるのが新鮮だった。
観劇の後の感情が自由なら、観劇体験だって自由でいい。
演劇の世界もこれからどんどん開かれていき、大衆が自然に演劇をする時代になるのだろうか。
街全体が劇場になる日も近いのかもしれない。