タイトルなし

生まれつき付いていた左膝上の茶色のアザが、気づいた時にはもう無くなっていた。

淡々と生きていくのは難しい。
会社から家までの車の加速度、
アパートの階段をヒールで上がる音、
特別じゃなくなった左膝。

ロードムービー
淡々と物語は進む。
その中に詰まってるシンプルで複雑な人間然とした気持ちを、私はもっている。

父親の白髪の多さや
母親の下っ腹、
祖父の耳の遠さ、
遺伝子レベルの頬の赤さ。





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