婚約指輪を4回買いに行った話
まず初めに僕にバツはついてません。
なぜだか分からないけど友達から婚約指輪を買いに行く際についてきて欲しいと言われることが3度もあっただけで自分のを合わせて4回もみに行くこととなった。
友達界隈ではほんの少し結婚するのが早かった僕を、さもドラクエ全クリを短期間で果たした猛者のように崇め慣れてないジュエリーショップに僕を連れて行くことで自分自身にバフをかける一つの道具くらいにしか思ってないんだと思う。
そんな夏のある日バフをかける一つの道具とも知らずにジュエリーショップへと馳せ参じることとなった。
まず初めに口火を切ったのは僕である。
僕:すみません?
婚約指輪を買いに来たんですがどんなものがいいのか分からず人気のものなどあれば教えてもらえませんか?
店員:御予算はいくらをお考えですか?
僕:ん〜?50万くらいですかね
※友人のお金なので適当
店員:それならどんなデザインでも検討可能ですよ〜
今時は婚約後に一緒に婚約指輪を選びに行くのがスタンダードらしくプロポーズリングなるものが存在する。
デザインやらダイヤの4Cだなんだとよく分からない呪文を説明されるも分からないためプロポーズリングなるものを購入。
それでも3万くらいはしてた。
なんやこれ?
高くね?
普通に婚約指輪買えばええやんと思う気持ちを胸にしまいながら友達の会計を待つことに。
後ろからでてきた新しい店員のお姉さんが僕たちを見て、さてプロポーズをされるのはどなたでしょうか?と言わんばかりの品定め選眼にて僕の左手についている指輪を一目見るなり友達の方を見て貴方ですね!と2秒で正解を見つけ出し様々な特典を友人へと薦めていく。
流石にプロすぎるなと感心をしながら、今度はお相手の方と一緒に来店して頂ける日をお待ちしておりますと満面の笑みで見送られ退店した。
そんな友達との交友関係は高校時代から続くがこんな機会でもないと書くことはないので簡単にエピソードトークでもしておこうと思う。
出会いは同じ高校の同じクラスになったことと、僕のクラスは3年間クラス替えが無いため嫌でも一緒にいる時間が多かった。
風貌は長身にスキンヘッド、顔の薄さからハリーポッター最大の悪役であるヴォルデモート卿を思い浮かべてもらうのが手っ取り早い。
そんな彼は陸上競技部長距離専攻に所属しており、うちの高校ではかつてのオリンピック選手を育て上げ、メダルを獲得させるほどの名監督、通称サファリなる先生がおり、地元の猛者どもはその先生へ教えを乞いに入学してくるのだが彼もその1人である。
過酷な練習を極める陸上競技部だが、彼のメンタルと胃袋は当時から桁違いだった。
まず食堂ではうどんとパンは必須で食べるものの友達の弁当の残りも構わず平らげる。
バレンタインデーでは先輩や同級生がもらったチョコは全て平らげるという伝説もあり、その中でも1番印象的な出来事は、ある日の練習の日、自転車で通学していた彼はスズメバチの巣を破壊し、蜂に追い回され唇をさされて意識妄想状態で救急病院に搬送されたのだが、その数時間後に僕たちとすき家に行くなり並盛とキング牛丼を頼み、並盛を僅か4口で平らげた後にそれを小皿にしてキング盛りを食べ始め、誰よりも早く食べ終わり他の人の牛丼を物欲しそうに眺めていた。
その後あまりの満腹さに帰宅する者もいたがバッティングセンターにて快音響かせるほどの元気さにアナフィラキシー症候群とはなにか?を即座に携帯で調べた記憶がある。
またある日は教室で下履きをラケットに見立てて卓球することがブームとなっていたが彼は何故だか机に寝転びネットをさせられているにも関わらず誰よりも楽しそうであった。
そんな彼がプロポーズするということで、やることなす事不幸なことでも喜劇に変えてしまう彼のプロポーズが笑い話で終わらぬことを心から祈っておこうと思う。
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