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【短文レビュー/邦画新作】『【推しの子】The Final Act』スミス監督・・・起承転結の起と結だけなのに、異様さを感じさせない

トップ画像:(C)赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・2024 映画【推しの子】製作委員会

監督:スミス/脚本:北川亜矢子/原作:赤坂アカ、横槍メンゴ
配給:東映/上映時間:129分/公開:2024年12月20日
出演:櫻井海音、齋藤飛鳥、齊藤なぎさ、原菜乃華、茅島みずき、あの、倉科カナ、金子ノブアキ、要潤、成田凌、吉田鋼太郎、二宮和也

ミステリ要素の強い漫画を原作とし、また配信ドラマの続きという位置付けの両方を考慮したためか、物語の序盤と終盤をくっつけて真ん中をすっ飛ばすという大胆な構成をしている。そのため、何も知らずに映画だけを観た者でも、多少の推測を補完することでそれほどの不都合もなく話を追えるのだが。しかしまあ、たいしてエクスキューズもなく犯人が自明になるのは、やはり特殊ではある。起承転結の起と結だけなのに、その異様さを感じさせないほど濃密なのは事実だ。

話の内容としては、労力も犠牲も多大な復讐譚の割には爽快感がない。その理由は、齋藤飛鳥演じるアイを筆頭にほとんどの登場人物のネジが飛んでいるだからだろうか。

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