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「オツトメしましょ!」A scene in the waiting room

「うわー! お二人とも、とってもおキレイですっ!!」

「あら、八神さん! どうもありがとう。・・・ねぇ、やっぱりメガネじゃないとダメ? 一応コンタクトも持って来てるけど。」

「・・・そうですねぇ。できれば、メガネのままでお願いしたいです。アイコン的な意味もあるので、そうしていただけると・・・。」

「・・・そっか。そうよね。営業的な縛りとかも、あるんでしょうから。」

「あ、いや! そういうのは、全然ないんですけど・・・。」

「え? ないの? キャライメージの契約とか、ありそうだけど。ほら!メガネ店のCMとか、そういうの聞くじゃない?」

「・・・今のところ・・・そういうお話は・・・。」

「はぁ?? ないの? 逆に、なんでないのよ! ちゃんと営業してるの??」

「はは・・・、スミマセン・・・。」

「由乃! せっかくのお祝いの会なんだから、その辺にしとこうよ。八神さん、困ってるよ!」

「・・・まあ、千英がそう言うなら・・・いいわ。」

「それで、八神さん、そろそろ出番? それで呼びに来たの??」

「あ! いや・・・あのーですねぇ・・・。」

「???」

「??? 何よ、煮え切らないわね。」

「いや・・・そのー・・・。」

「はっきり言いなさいよ。何?」

「実は・・・今回の発表は、ですね・・・。」

「え、もしかして千英たち選ばれてなかった??」

「あ! いえいえ! そうではなくて、選ばれてはいるんですが・・・。」

「ですが?・・・ですが、何なの?」

「今回の発表は、中間選考結果で、式典とかないんですっ!!」

「はぁ~~~???」
「えぇーーーっ!」

「どうやら情報の行き違いがあったようで・・・。」

「何よ!こっちが悪いって言うの!?」

「い、いやいや! そんなつもりでは・・・。」

「えー、せっかくおしゃれしてきたのに・・・。」

「・・・すみません・・・。」

「すみません、じゃないわよ! これ、どうしてくれるのよっ! ドレスは聖さんからの頂き物だけど、セットとかメイクとか、全部自腹でやってるんですからね! 今から式典、開きなさいよ!」

「そ、そんな無茶な! そもそもまだ大賞に選ばれたわけでもないんですから! 選ばれるかどうかも、まだ全然わかりませんし・・・。」

「そんなの、知らないわよ! いいから事務局に掛け合ってすぐに式典開くように言って! なんなら私が言ってもいいけど?」

「いやいやいや! あの! まだとっても繊細な時期なんで、どうかコトを荒立てないで下さい! 完全にこっちの勘違いなんですから! そんなめちゃくちゃな要求したら、失格になっちゃいますよ!」

「そ、そうなの?? それは・・・困るわね・・・。」

「でしょでしょ? ですから、どうかここは穏便に・・・。あの、メイク代とか、経費はこちらでお持ちしますので・・・。」

「そ、そう? なんか、催促したみたいで悪いわね?」

「いえいえ! もう、そんなお気になさらずに! それで・・・今回は『手打ち』ということで、よろしいですか?」

「ふ・・・ん・・・まぁ、いいわ。次からは気を付けて下さいね! で? その、何とか大賞の発表は、いつなの?」

「あ、10月下旬ということで、連絡が来てます。公式からなんで、おそらく間違いはないかと・・・。」

「じゃあ、その辺りはスケジュール空けておいた方がいいってことね?」

「さ、さぁ・・・どうでしょうか? 同じように選考通過した他の30作品も、それはもう、力作ぞろいですから・・・私からは、何とも・・・。」

「・・・それ、千英たちの見せ場を増やせば、何とかならない? なんなら、事務局のPCをハッキングして・・・。」

「ダメダメダメ! 千英さん! それはダメですよっ! あ、ちょっと、由乃さんまでそんな! あ、あの、お二人、なんか目が据わってません? オツトメモード、入らないで下さいっ!!」

この後、「貸し切り屋形船でのディナー」を条件に、無事に『手打ち』となりました。お騒がせして、すみませんでした。

あの支部長のジイさんが悪いんです。
まあ、あの場面でそんなこと言ったらそれこそ大変でしたので言いませんでしたけどね?

耳遠そうで、最初は何回も聞き返してたのに、話の途中から舞い上がっちゃって、やれ祝儀だの宴会だの、まだ中間選考ですよ、って、何度も伝えたんですけどねぇ・・・。いやぁ、伝えるって、難しいですねぇ・・・。

八神氏へのインタビュー(原文ママ)


本紙取材に八神氏はこう答え、ボイスレコーダーをバッグに戻した。
録音を聞いた記者の印象としては、八神氏は明らかに困惑した様子であり、同時に事態の収拾を図るべく、相応の努力をしていた、と認めざるを得ない。

この記事を見た湯浅、上椙なる二人が、今後どのような行動を取るかは不明であるが、記者としては八神氏の無事を祈るばかりである。

記事・インタビュー 蔵安久 賢人

 


はい、という訳で、最初に小芝居を見ていただきましたが・・・

「オツトメしましょ!」
創作大賞2024 中間選考を突破させていただきましたッ!!

ありがとうございます! ありがとうございますっ!

もちろん、通過点の一つに過ぎないのは百も承知で、明日からまたドキドキの一ヶ月半が始まる前に、今日くらいは素直に喜んでおこう、と、そういう趣向でございます!

「オツトメしましょ!」を、読んでいただき、スキやコメントを頂戴し、誠にありがとうございました。

また、普段から応援して下さるフォロワーの皆様、共に切磋琢磨を続ける、創作大賞応募者の皆様をはじめとした、全てのnoterの皆様に、心からの感謝を申し上げます!

ありがとうございました!

この結果に慢心することなく、明日からも精進して記事の投稿を続けさせていただきますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます!

                         2024.9.19 八神夜宵

よろしければ、どうぞ・・・。

こちらは一気読みバージョンです。約14万文字となります。
連載形式なので、記事飛ぶ手間が省けるように作りました。




と、カッコつけてはみましたが、いやぁ、なんか、何とも言えない脱力感に襲われてしまいまして、明日は仕事休むことにしました・・・w

今まで結構、強気でテキトーなこと言ってきましたけど、やっぱりどこかで不安で、緊張して、気を張ってたんでしょうね。

しかも、いざ突破したら、なんだか急に恥ずかしいようなくすぐったいような気持ちになってきて、照れ隠しに小芝居作ってみたりして・・・w

まだ全然、気を抜けるところじゃないんですけど、明日一日だらっと過ごして、次のステージに向けてバネを撓めておこうと思います!

すぐにびょーんと、飛び出せるように!


それではみなさん、おやすみなさい。
どうか、皆さんも良い夢が見られますように✨✨✨

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