名作 ~カリオストロの城~
※ 一部ネタバレを含みますので、気を付けて読み進んで下さいね!
今日は映画「カリオストロの城」が放映されました。
言わずと知れた、宮崎駿監督のアニメ映画1作目にして、金曜ロードショーの常連中の常連。
私の中では、現在でも好きな映画を10本挙げろ、と言われたら必ずランクインする映画であり、DVDも持っているのに録画して、さらに再放送されるたびにリアルタイムで視聴もして、トータルで今まで100回以上は見ているはず。
数々の名シーンと名セリフを産み、笑いあり涙あり、カーチェイスや戦闘シーン、謎解きと伏線の回収、それがポンポンとテンポよく進み、見ていてまったく退屈することがないんです。
この話の中で、私が特に好きなキャラクターが、「銭形警部」である。
この、いかにも時代遅れで、仕事に真正面から真摯に取り組む刑事の存在が、「カリオストロの城」という作品を、より高みに上げてくれているのではないか、といつも思います。
さらに、彼の部下として登場する、名もなき機動隊員たち。
カリオストロ公国の警察組織である、「衛士」がサーベルを振り回してくる中、銭形警部の命令一下、盾一つでこれまた真正面からぶつかっていく。
なんとも不器用で、要領は悪いがとにかく一生懸命なのに、とても好感が持てますよね。
しかし、作中での彼らの扱いがとにかくひどい。
カリオストロ公国の当主始め、執事のジョドー、衛士のグスタフ、インターポールの上司や各国の代表、敵方はもちろん、味方であるはずの面々まで、銭形を軽視し、小馬鹿にしたような態度を見せてきます。
それでも屈しないのが、男銭形。
「ルパンを追う」という天下御免の元、ルパンを追いかけながらもカリオストロ公国の秘密を暴いていく・・・。
そういった紆余曲折を得て、伝説的名ラストシーンである。
銭形「くそぅ!一足遅かったか!ルパンめ、まんまと盗みおって!」
クラリス「いいえ、あの方は何も盗んでいません。私のために戦って下さったんです。」
銭形「いや、奴はとんでもないものを盗んでいきました。・・・あなたの心です!」
クラリス(きょとんとした顔から笑顔になり)「はいっ!」
思い返しただけでも感動するんですが、このシーン、何か違和感に気付きませんか?
「銭形警部は、なぜクラリスの気持ちを知っていたのか??」
ということです。
ルパンがクラリスを救いたい、と思っていることは共闘の段階で知ったはずですが、クラリスの気持ちがその口から語られるのは、このシーンの直前で、そこにはルパンとクラリスしかいないはずなのです。
そこで、私は考えました。
実は、銭形はこの直前には二人の比較的近くにいたが、あえて二人の邪魔をしなかったのではないか? と。
ルパンがクラリスを連れて行こうとすれば、それを阻止しようとしたと思いますが、ルパンはそれをしなかったので、ルパンが逃げ去ってから出て行ったのではないか、と考察するのです。
そうすると、最後に銭形がクラリスに対して敬礼しながら行うウインクの意味と、最後の庭師のおじいさんの言う、
「なんと気持ちのいい連中だろう」
というセリフが、ルパン一味+銭形を含めたものとして、実にしっくりくるのです。
真実はもちろんわからないんですが、そう考えると、ますます銭形警部が好きになるんですよね。
なんといっても、粋じゃあないですか?
みなさんそれぞれの、「カリオストロの城」の楽しみ方があると思いますが、もしも「まだ見てない」って人がいましたら、ぜひ一度、ご覧になって下さい。
とても40年以上前の作品とは思えないと思いますよ。
画面や音楽はいかにも「昭和」ですけど、効果音の当て方とか、場面のカメラワークとか、今でも斬新に感じるところも多いと思います。
それじゃあ、今夜はこの辺で。
じゃわっとさんばばん!