(再掲載)私は誰⁉️パラレル版(11)沖田総太郎と言う男(2分で読める小説)
沖田総太郎と話しをしたのは、田中だった。
先ずは自己紹介をし、事件の経緯を話した。
沖田総太郎の声が電話のスピーカーから聞こえた。
「小山内教授が殺されたって、本当ですか?」
と驚いている。
「犯人は誰ですか?」
と聞いてきた。
「それを今調べているのです。
貴方と小山内教授の関係を教えて下さい。」
「俺、殺して無いですよ。疑っているのですか?」
明らかに動揺している。
「疑ってはおりません、
小山内教授との関係を教え欲しいのです。」
「小山内教授の関係と言われても、
あんまり知らないです。
私は、雑用係でしたから。
研究の事は何も知らないです。」
「貴方は、小山内教授と研究を一緒にしていた訳では無いのですか?研究者では無いのですか?」
と、田中刑事は疑いを込め強く聞いた。
「していませんよ。あんな難しい事は、
さっぱり解らないですよ」
「では、何故 アメリカにいるのですか?」
「小山内教授に行けと命令されたからです。
でもその理由は言えません。
小山内教授との約束がありますので。」
(沖田総太郎は律儀な人なのかも知れない) と
岡光子刑事は、思った。
「貴方は、水原学君をご存知ですか?」
「知ってますよ。無口で何を考えているのか分からない男でしょ。
小山内教授の弟子です。小山内教授も無口なのに、お互い気が合うのか、仲が良かったです。俺の見たところ、あれは、テレパシーで会話してますね。」
「テレパシーの会話ですか?
水原君の事で何か気になる事、無かったですか?」
「水原ですか?俺とは気が合わなかったな。
何も言わないし、俺を馬鹿にしてるみたいだった。
嫌な感じだったけど、他の人には人気があった。」
「どの様な時に、馬鹿にされたと感じたのですか?
実際に馬鹿にする様な発言をしたのですか?」
「実際に言われた事は無いけど、、、、。
そんな感じがした。」と、沖田は言った。
水原君に対しての僻みからだろうか?
「ところで、貴方は小山内教授から何かされましたか?」
その質問を聞いた時、沖田は無言だった。
「聞こえてますか?沖田さん。
ここが一番聞きたいところです。
何かされたのですか?」
しばらくして、沖田は意を決したかの様に言った。
「今から喋ることは、小山内教授には、内緒ですよ。
『私がされた事を他の人には言ってはいけない』と小山内教授と約束したので。
でも、刑事さんを信用して喋るので、小山内教授に言ってはダメですよ。」
(この人は、小山内教授が死んだ事を未だ認識していないみたいだ。
それとも、ボケを入れて笑いをとりにくる関西人か)
と岡光子は思っていた。