見出し画像

可笑しなお菓子(7)ユニシロシリーズ

アパートに帰ると直ぐに、松原千恵子はお菓子作りに掛かった。
材料の小麦粉と卵と、ナッツとチョコレートと砂糖と
塩とシナモンを先ずは魔法瓶に入れた。
それから、マジックキノコを茹でその出汁を、
魔法瓶に追加した。
この出汁がこの[可笑しなお菓子]の製造には欠かせない。
マジックキノコをそのまま入れると、効き目が強すぎる
と、魔法使いの叔母さんから言われている。
[この魔法瓶の事を知らない人に伝えます。以前私の書いた
小説にあるのですが、この魔法瓶は魔法が掛けてあり
この中に物を入れると進化した物が出ていきます。
以前、松原千恵子が卵を魔法瓶にいれたら、
ネギマが出てきました。
また、この魔法瓶でクローン人間も作れます。
この事は(新)ブラックドクターという小説に書いてあります。興味のある方は是非お読みください]

「何を作っているんだい?」
と、年寄りの松原千恵子が聞いてくる。
「おばあちゃん、そこで見てて。
今、可笑しなお菓子を作っているんだから」
と、取り合うのがめんどくさがる若い千恵子。

「作るって言っても、魔法瓶に入れるだけだろ」
と、こちらも負けずにめんどくさい言い方だ。
実はこの二人、どちらも松原千恵子なのに
仲が良く無い。

魔法瓶に全ての材料を入れ、待つ事三十分
良い匂いが部屋中を包んできた。
「今回も上手く出来そうだわ」
と、嬉しいそうに言う若い方の千恵子。
若い方の松原千恵子はこの[可笑しなお菓子]を
食べてから、性格が明るくなり感情を
表に出す様になってきたのであった。
だが、その効果ももう直ぐ消える。
[可笑しなお菓子]の効果は人によって違うが、
千恵子の場合4日ぐらいは続くみたいだ。


いいなと思ったら応援しよう!