元心理学専攻の「修羅場」の話
こちらは「みんなの北星 AdventCalender2024」の記事です
1 血みどろの激しい戦いや争いの行われる場所。しゅらじょう。「—をくぐりぬける」
2 人形浄瑠璃・歌舞伎・講談などで、激しい戦いや争いの演じられる場面。
上記は「修羅場」の意味合いを検索した結果である。つまり一般的な「修羅場」の用例だ。
痴情のもつれなんかも「修羅場」といいますが、今回の主題の「修羅場」はこちら
私の修羅場
オタクはいつも何かしらの締め切りに追われている。同人誌(自費で印刷した本)を執筆するオタクは、入稿日に追わているのが最たる例だ。
コスプレイヤーの私も締め切りにしょっちゅう追われている。コスプレイヤーにとっての締め切りは基本的にコスプレの撮影日(時間)だが、一体どんな準備が必要なのか…
修羅場のレシピ
コスプイヤーがイベントまでに準備するものは以下の通り
衣装
購入
購入手配 →業者にもよるが海外発送の場合は1か月程度
自作
型紙・布・糸・パーツの用意
型紙の改造
裁断
縫製 →衣装の難易度によるがここまでで最短24時間
ウィッグ
購入(北海道の場合、販売店が少ないため通販が主流)
カット(文字通り切る作業)
セット(立ち上げたりスプレーで固める作業) →難易度によるが最短3時間(私の場合)
パッキング
当日の荷物の準備部屋中から必要なものをかき集め、カバンに詰める
そう、とにかく工程が多い。
※これでも様々なキャラクターに通用するごく一例
余裕がある人は大体1か月前から始めますが、なぜでしょう、「今週仕事忙しかったし今日は休もう」「遊びに行っちゃえ」等何らかの理由をつけながらタスクから目を背け続け、私は早くて2週間前、遅くて前日に始めます…
※よいコ(スプレイヤー)は絶対にマネしないでください
修羅場のメカニズム(考察)
思うに、私の修羅場は下記の悪循環の上に成り立っていると考えている。
普通に計画性がない(何もしない日を作るし、他の遊ぶ予定も入れる)
なんだかんだ間に合わせてしまう(徹夜のまま撮影に行くこともある)
修羅を抜けた達成感と撮影の楽しい思い出が残る
完成した事実以外が記憶から欠落する(何かの犠牲に完成させたはずが…)
見誤った状態で次の予定を立てる(前の時〇日で終わったしこれでいける)
2~5の無限ループ
この中で特に害悪なのが3と4。
人間やはり達成したという快感からは逃げられず、連続で締め切りを達成していくことで、毎回負った犠牲をどんどん忘れる。故に毎度計算外の睡眠犠牲をしてしまう。
また、コスプレイヤーは同じキャラクターでも服装が違う(例:普段制服のキャラクターの私服等)という衣装違いのコスプレもすることもあるが、新規書下ろし衣装が発表されると、その衣装で撮影したくなる衝動によく駆られる。本来特に修羅場になる予定がなくても、自ら修羅に身を投じることもしばしばあった。
※この衝動については人によります。私は特にこの衝動に弱い
修羅場を心理学的に解剖すると…?
思い出せ、学生時代
さて、こんな限界コスプレイヤーの私ですが、学生時代は心理学部で勉強をしておりました。
よく心理学でも取り上げられるのが「先延ばし行動」。
本来やらなければならないはずの課題を何らかの理由づけによって、意図的に遅らせたり後回しにしたり する行動を、一般に先延ばし行動(procrastination)と 呼ぶ。
これじゃん、これ。修羅場じゃん!
先輩、卒論で研究していたな…
人の本質は…
今回この文章を執筆するにあたり、何件か先延ばし行動の論文を読んだ。
先延ばし行動が卒論で取り上げなかったタイトルなので、文献に関する記憶が欠落していたからだ。興味のないことや都合の悪いことに対する記憶力の乏しさは昔から変わっていないなと実感した。
また、先延ばし行動の原因とされる計画性のなさや楽観性の部分に自分が当てはまりなかなか耳が痛かった。
(全部の工程がどのぐらいかかるのかもキチンと考えずに短工期を組むし、毎回どうにかなってしまうので行けるだろう!と高を括る etc…)
人間の本質というものは、変わらない。
最後に
私は実験したい内容のビジョンが割と明確にあったので、自分が興味のある領域以外の論文はあまり真面目に読まなかった。(先生にはその点手を焼かせてしまった記憶も…)
自分の研究領域以外の論文で得た知識もこうして何かのタイミングで思い出すこともあるので、教養の一部と思ってちゃんと読んでおきましょう。反面教師がここにいます。
さ、そろそろ明後日のイベントで使うウィッグ作ろうかな…