パート譜を作るにあたって何を気にするのか?(備忘録)
仕事を初めてから今日まで、幾度となく譜面を作りPDF出力してきました。
その中で何を気をつけて譜面づくりをしているのか、書き出してみます。
※但書※
僕は現在までにある譜面写譜屋や出版会社さんのように"完璧な譜面づくり"をしているわけではありません。現場における最低限守るべきもの、これさえ出来ていれば事故はないというラインで以下に書き記すので、ご了承下さい。
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①譜めくりタイミング
最低限として、まずこれがあります。なるべくページを跨いでフレーズが行かないように調整します
どちらのページで譜めくりを行うのか?という問題に直面するのですが、ライブラリアンさんの製本によっては右始まり・左始まりと違う場合もあります。
ですので対策としては、改めてライブラリアンさんにどちらページ始まりかを聞くか、右左どちらで始めてもOKなような譜面を作っています。
(蛇腹製本なら左始まり、A3印刷などによる中綴製本でしたら右ページ始まりケースが多いかも...)
②4小節区切り譜面
上記の①も含んでの上で、これはおもにスタジオ収録にもあるレイアウトです。
4小節単位でグリッドが決まっているので、どこが間違えたのかなど奏者さんが把握しやすいようになる、とのことです。
そしてスタジオ収録・演奏会に関わらず、
・Drums
・guitar
・Bass
・Keyboards
などのバンド系楽器が当てはめるべきパートです。
(ポップスなど2・4小節単位で動く楽曲が多いため)
③小節番号を各小節ごとに振るか否か
これは出版印刷ならあまりなく、演奏会によってもまちまちなのですが、スタジオ収録にはよく1小節ごとに番号をふるケースが多いようです。
小節線の上・下、小節中央の上・下、など様々なケースが有るようですが、僕は小節線の上下を好んでいます。(連音符の数字などと混ざらないようにするため)
歌詞がある譜面は上に、
コードが書かれてある譜面は下に
と、ここらへんは臨機応変に書いたほうが良いかもしれませんね。
(とある楽譜写譜屋さんのレイアウトでは、五線譜音部記号の左側・上下の中央のスペースに各段あたまの小節番号を振っていました。たしかにその場所だと音符や表記を汚すことなく表示できるのでいいかも...と思いました)
④上下の間隔が空きすぎた譜面は作らない
コーラスや楽器演奏もする際にたまに配られる新曲の中に、1ページに五線譜段数が3段しか無いのにページ下いっぱいに割り振られている譜面をみることがありますが、目で譜面を追いつく際キョリがあり見づらいことがよくありました。
(正直これは作家の好みですが)1ページにつき50%以下を占める段数の場合は、無理に下まで引っ張らずにページ下部に空白を作るほうが良い場合があります。
⑤1ページに五線譜を何段配置するか
これも正直ケースバイケースですが、
演奏会用だと9-11段、スタジオだと7-9段のケースが多く見られました。
僕は演奏会上がりの人間なので、最初スタジオの段数を見て(大きすぎだろ!)とびっくりしたのですが、スタジオ収録は初見演奏のケースが殆どで、マイクをセッティングすると自然と譜面台のキョリが離れます。
そうすると譜面が小さくて譜面が読めないのは致命的なので、以上の理由から7-9段のケースになっています。
実はこの⑤の問題ちょっと悩ましい問題で、1ページあたりの段数が多くなると相対的にページ数が多くなります。
なので譜めくり数多い!とか印刷製本めっちゃ大変!とかがあったりするので、その辺りをそのプロジェクトの状況に合わせて作ることが求められるのかなと思います。
★⑥リハーサルマーク、小節数をフルスコア/DAWセッションと合わせる
これは大事な問題です。そしてよく間違えるケースです。
フルスコアとパート譜を別ファイルとして作成したりすると、何かの誤操作で小節がずれるときがあります。そうするといざRECやリハ合わせで小節の齟齬が発生した場合それを修正する無駄な時間が高確率で起こります。
下手すると損害モノなので、慎重に確認します。
で、その際に良い予防法としては、
・RECの場合、DAWセッションデータを作成する作家さんやアシスタントさん本人にデータを確認してもらう。
ということをしています。
(といっても作家さんにある程度の信頼関係がある場合に限ります)
人海戦術ダブルチェックで事故を予防するという原始的かつ確実な方法です。立場の関係でしそんじる場合もあるのですが、ほんと事故は予防したいので是非作家の皆様にはご協力お願いしたい次第です。
主にSibeliusですが、よく間違えるパターンは
・Cadenzaなどで小節番号を連続に振り直すケース
・リピート記号でCoda/Segnoからの小節番号を間違えるケース
・バージョン変更の小節付け加え忘れ
などなど、トラップは潜んでいるので、トライアンドエラーで自分の傾向性を掴むのも勉強の一つかもしれません。
...などなど、意外にも気をつけるべき項目がたくさんあります。
また追記事項があれば引き続き書いていきます。
ひとまず、パート譜で気をつけるべき項目でした。
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