学生ママだったときの心の友は中国人
右を見ても左を見ても同じ境遇の人がいない。
疎外感。孤独。怒り。いらだち。悲しみ。
子育てをしながら大学に通っていたとき、私の気持ちに寄り添ってくれたのは、向かいに住んでいた中国人の女性でした。
彼女も子育てしながら大学院を卒業
アパートの向こうから中国語が聞こえてきます。
「……中国人がいるっ!(やった!)」
中国語をちょっとだけ話せる私は、彼女を見つけるとすぐに声をかけました。中国人の友達を作りたかったからです。
自己紹介をすると、なんと驚くべき発言。
「私もあなたと同じ大学院の卒業生よ」
その方は大学院を卒業し、中国語の先生として近くの大学で働いていました。
聞くと、子育てをしながら大学院に通って修士課程を修了したとのこと。
授乳をしていた時は休み時間などに保育園にいって授乳をし、また大学に戻る、ということもしていたとか。
彼女がどれだけ大変な思いで子育てと研究をしていたか。しかも旦那さんは週末にしか帰ってこなくてワンオペ!
外国で一人。子育てと研究と。
凄すぎる!!!
彼女の存在は私の希望になりました。
自分の大変さをわかってくれる人がいる。助けるとか、相談にのるとか、とりわけ大それたことはしなかったけれど、ただ「同じ経験をした人がすぐそばにいる」というだけで、とても心強かったです。
愚痴を聞いてくれたり、愚痴を聞いたり。
明るくて強い女性でした。
結婚・出産すると途端に話さなくなる話題
子どもを育てながら大学院に通う人は、私以外に大学内にはいなかったと思います。何千人と学生がいても私一人。
それだけでもとても孤立感があったし、「自分はおかしいのかな…」と自分の選択を疑ってしまうこともありました。
やはり普通の人とは感覚が違うな、と思う出来事がありました。
それは若いママたちの集まりに行ったときのこと。
私が「大学院でこういう研究をしている。将来は…」
という話をすると、みんな、ぽかーん。
空気が変わりました。ほんと。温度が下がりました。まじで。
他のママたちは子どもの話。私以外みんな子供の話でした。
結婚するまでは自分の夢とか進路とか、そういうことを自由に話していたはずなのに。
なぜ結婚して子育てが始まると、途端に自分の話をしなくなるのだろう。
なんなんでしょう。
もちろん目の前の子育てに必死になって近視眼になりがちだけど。
話しちゃいけない雰囲気があるような。気のせいかな。
結婚しても、お母さんになっても、夢を語ってもよいと思うのだよね。
私の夢は「素敵な家庭を持ってママになること」であれば存分にその話をしてくれてよいとは思います。
でも、本当にやりたいことがまだ残されているのなら…。あきらめずにいてほしい。そのもやもやは多分消えない。
なので若い子育て中のママには自分の夢、堂々と語ってほしいなと思う今日この頃です。