大海赫「バイキン図鑑」
振り返ってみれば、コロナ禍で今年は大海赫先生ご夫妻にも、藤子不二雄Ⓐ先生とも、どちらも電話でお話ししただけで、一回もお会いできなかった。寂しい限り。そんな中で、大海赫先生の本や絵画を取り扱って下さっている土浦市「シークセール」で刊行している冊子「シークセールマガジン」VOL.2の巻頭に、大海赫先生の「バイキン図鑑」が特集。「シークセールマガジン」VOL.2が欲しい方は、以下のURLを参照下さい。
https://www.chic-sale.com
巻頭扉の次の頁に「俺は御歳、八十九歳やがて死ぬ」と始まる巻頭言。いえいえ先生、人生百年。「直ぐ死ぬ」とおっしゃっる方ほど元気で長生きですから。登場するバイキンたちは「シランプリンキン」「シラケキン」「イジメキン」「オイボレキン」「オチコミキン」「ジロジロキン」「オーグイキン」の7キャラ。不気味カワイイ姿の絵それぞれに、アイロニカルなキャラクター紹介文が添えられている。今回は大海赫先生の許可を頂いて「イジメキン」を紹介。紹介文には「憎み、怒り、妬みにまみれたイジメキン。『さ〜てと・・・。今日は何匹人間をいじめ殺すかな。」。
大海赫先生の「バイキン」シリーズを初めて観たのは、仙台での個展だった。生々しい喜怒哀楽をシュールかつユーモラスに表現した絵画の数々に、私は魅せられた。実際には「シークセールマガジン」に掲載されたよりも、ずっと多くのキャラクターが存在する。それらを描いた絵は、大海赫先生ご夫妻がほとんどタダ同然の値段でファンの方々に売ってしまわれて、今は散逸している。せめてデジタルデータにだけはしておけばよかったと、後で後悔。自分が出版社を経営しているうちに「バイキン」画集を出したいと念じつつ、果たせぬまま退任してしまった。今回のシークセールマガジンの試みは、私の果たせなかった夢を少しかなえてくれたことに感謝。
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