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ロシアのウクライナ侵攻、アメリカは世界の警察をやめた⁈

社内事情通が言った「プーチンは馬鹿じゃない」という言葉が裏目に出たので、ショックを受けた。ここで事情通が言った「馬鹿じゃない」は『よもや本当に戦争なんかするわけないじゃない』という意味であったから。僕は甘くもそれを信じていた。しかしロシア軍にプーチン大統領はウクライナ進軍を命じて実行した。それも「東部2州の独立を支援するだけ」「ウクライナ全土を占領する意志はない」と言いつつの首都キエフ陥落である。下世話な話だが、プーチン大統領の発言は男性が女性を口説く際に「キスだけ」「何もしないから」「触るだけ」とか言いつつ最後まで行ってしまうのとソックリだと思った。いつのまにか既成事実を積み上げている。
 正直言ってバイデン米国大統領の弱腰にも唖然とした。交戦状態に入らなくても、ウクライナ国境で米軍を含むNATO軍がロシア軍と対峙するだけで、ロシア軍は動けなかったのではないだろうか。しかしバイデン大統領はそれすら行動を起こさなかった。もちろん交戦状態に入れば、モスクワとニューヨークに核爆弾が落ちる可能性だってあるから、迂闊に動けないことはわかる。トランプが大統領だったら、既に核のボタンが押された事態に陥っていたかもしれない。しかしピクリとも動かず非難だけするアメリカを見切って、プーチン大統領はロシア軍に進撃命令を下した。もうウクライナという国は実質なくなってしまうだろう。親露政権をトップに据えた傀儡政権を立てて属国化するだろうという見方が大勢である。これは日本が第二次世界大戦前に中国に対して行った満州国と同じである。はっきり言って見殺しであるバイデン大統領は「NATO国でないから出兵しない」と語るが、今回のロシア侵攻はウクライナのNATO加盟の動きで起こったことである矛盾。アメリカが世界の警察をやめたことで①中国の台湾併合②北朝鮮の韓国併合などの危機に向けて、世界は流動化したと言える。
 心配なのはロシア軍によるウクライナ国民への掠奪・殺人・強姦である。第二次大戦以降、しばらく先進国では世界大戦レベルの紛争は起こっていなかった。しかしバルカン半島でのユーゴスラビア紛争では、そのような悲劇が繰り返されたと聞く。高橋和巳「邪宗門」や宮尾登美子「朱夏」で描いたような、太平洋戦争終結後にロシア兵が満州で起こしたような惨劇がウクライナで起こらないかが心配である。ウクライナには女子柔道48kg級の準決勝で、日本の渡名喜風南と戦ったダリア・ビロディドがいる。その美貌と愛らしさで世界中の人気を集めたビロディドだが、彼女にも危機が迫っている。誰もが知る存在の彼女がSNSで投稿した悲痛な叫び「私のウクライナ。信じられない 私の心は壊れそうです、全世界の人々と一緒に祈ろう」を読んだ。ウクライナの置かれた状況が他人事のニュースで聞くよりも、ずっとリアルに感じられた。戦後77年、ロシアは満州での狩猟をウクライナで再現することだけは止めて欲しい。そもそもウクライナ国民はロシア国民と同じスラブ民族のはずである。プーチン大統領も「市民に手を出さない」という点だけは軍規を徹底して欲しい。

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