豪栄道関の引退発表
大関・豪栄道豪太郎(境川部屋)が引退を発表。年寄・武隈を襲名。ちょうど初場所で大関陥落が決まった矢先だった。まだ33歳で、もうちょっと現役でいて欲しいところだった。加えて陥落後の場所は、二桁勝利で大関返り咲きもできるのに残念。「精も根も尽き果てた」との引退理由。大関昇進後に、8回ものカド番を、その都度乗り越えてきた。『ずぶとい神経しているな』『要領いいなあ』と思っていたが、想像以上のプレッシャーだったのだろう。ご当地(寝屋川)の春場所は、大関で迎えたかったということもあったかもしれない。これで番付は大関が1人だけとなった。来る春場所は、鶴竜が横綱大関という異例の名称となる。これも貴景勝に続く若手が未だ出て来ないことが原因。そういう意味で御嶽海の大関取り失敗や阿武咲の伸び悩みは痛手だった。
豪栄道が大関に駆け上がる頃は、四股名から「Go!、Go!、豪栄道!」なんて、駄洒落っぽい応援フレーズがあり、しかも名前が豪太郎。愛すべきキャラクターとして、人気が高かった力士である。スピード感溢れる相撲で、前みつを取って、土俵際に殺到する取り口は、小気味良かった。反面、身体が大きいわけではなく、悪い引き癖があった。それでも捨て身の首投げで窮地を脱したり、反射神経は抜群だった。2016年秋場所では全勝優勝。横綱昇進も視野に入り、その後も優勝のチャンスもあったが、果たせず。大関在位33場所は歴代大関の第10位であるが、結果的には満身創痍の土俵が続くこととなってしまった。弱音を吐かず、土俵に立ち続けた豪栄道関、お疲れ様でした。