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大相撲9月場所総括

大相撲9月場所の総括。優勝は正代。ここ数場所、手が届かなかった賜杯を手にした。圧倒的な強さだった。これで大関昇進も確実に。本当におめでとう。花道で付け人の津志田と抱き合って泣いていた姿に涙。大器晩成である。翔猿は生き生きとした変幻自在の動きで大活躍。新入幕にして、千秋楽を一人で盛り上げてくれた。本当によくやった。充分に敢闘賞に値する。横綱2人が休場した9月場所は、実力均衡で戦国場所。優勝レースとしては伯仲して面白いが、14勝が最も多かった優勝ラインが下がっている。もはや横綱大関も三役も平幕もヘッタクソもなく、地位と実力が釣り合っていない印象。それだから新入幕の翔猿が三役揃い踏みに出てくる異例。貴乃花以来、横綱が休場を続ける悪癖に、協会や横審はより迅速に引導を渡すべきでは。
 もう一つ気になったのは、休場者が多すぎること。幕内だけでも再出場を含んで延13人。特に照ノ富士の途中休場、琴奨菊のケガは去就が心配。幕内は三役含めて42人なので、欠勤率は31.0%。力士の体重増加、稽古不足など様々な問題が挙げられるが、日本相撲協会が最も力を入れて取り組むべきは、力士の皆勤ではないだろうか。正直やっぱり土俵を観ていて少し詫びしかった。
 個別に特筆すべき点を挙げると、メキメキと力をつけたのが隆の勝。来場所は関脇か。御嶽海はボヤボヤしていると、貴景勝・朝乃山・正代だけでなく、隆の勝にも抜かれてしまう。若隆景の活躍にも、目を見張るものがあった。見事な勝ちっぷりといい、存在自体を見直した。7月場所で13連敗を喫した阿武咲は、見違えるような快進撃。圧倒的な14勝での十両優勝で、ケガから復活した千代の国が幕内復帰を確実にした。新十両・王輝は全敗で辛かっただろうが、めげないで下を向かないで欲しい。大ケガを二度も続けた業師・宇良と大鵬の孫にして貴闘力の息子である納谷が十両昇進をほぼ濃厚にしたことも慶事。

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