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高畑京一郎「新装版 タイム・リープ〈上〉〈下〉あしたはきのう 」

1996年に刊行された電撃文庫の新装版。映画「時をかける少女」は実写版も何度も観たし、スタジオ地図のアニメ版もあった。「バックトゥザ・フューチャー」は第5作までシリーズ化。「コールドスリープ」という言葉を生んだ「夏への扉」はSFの最高傑作。ということで、これらの名作を踏まえた上でのタイムスリップ小説が、ライト文芸として復活。「タイムトラベル」と「タイムリープ」を峻厳に区分けしたことで、タイムパラドックスを理知的に解き明かすミステリー小説にもなっている。そして前編のヒロイン、後編のイケメンの二本立てとなれば、お約束の仄かな恋の成就もお膳立て。「めぞん一刻」並みのツンデレ劇が楽しめる。蓮っ葉に評したが、名作は何度も何度も蘇る。
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高校二年生の鹿島翔香は、自分に昨日の記憶が欠落していることを知る。自らの日記には「若松くんに相談なさい」と、自身に宛てた文章が残っていた。クラスメートの秀才・若松和彦に鼻であしらわれた翔香。しかし必死の説明と懇願に、半信半疑ながらも和彦は事態の解明に乗り出す。


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 複数のタイムリープの遭遇に、和彦は一定の規則性を見い出す。その発生には、翔香の心理に真相が潜んでいることを確信する。そのことは翔香が現実的な危険に晒されていることも、次第に明らかになってゆく。事件の究明と解決を決意した和彦は、友人である関鷹志に協力を求めた。その結果は、決して翔香が望んだようなものではなかった。

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