朝堂院大覚の生き様 ユーラシア帝国の実現を願った男
説話社から刊行された「朝堂院大覚の生き様 ユーラシア帝国の実現を願った男」。最後の黒幕=最後のフィクサーと呼ばれた男。
http://www.setsuwa.co.jp/publishingDetail.php?pKey=209
冒頭から衝撃的なレポート。世界に大打撃を与えているコロナウィルスは、蝙蝠を発生源としたももでなく、中国の「武漢ウィルス研究所」から漏れたものでもなく。実はアメリカのニューコート=ロスチャイルド家による世界統一政府への野望に発するものだと自信満々に主張。そして著者自身も独自に世界統一機構の設立を夢見ていた。そこには人類が絶滅に直面している危機が「環境問題」という確信にある。
本名・松浦良右は私財を投じて自ら動いた。1972年に出版されたローマクラブ「成長の限界」に感銘。第三世界に働きかけて「非核諸国同盟国会議」「世界黒人会議」「国際宇宙法学会」を設立運営した。ところが二つの事件が発生。1992年「高砂工業熱学事件」と、1995年「オウム真理教事件」である。二つの事件で濡れ衣を着せられて、松浦良右氏は汚名で地に堕ち、財を失い失脚。これを機に朝堂院大覚と改名。それでも諦めない。米国に従属した世界からの脱却を「ユーラシアアライアンス」という理想を説く。
あまりに壮大稀有な話で、正直どこまでが本当で、どこからが法螺なのかわからない。それでも随所に頷ける部分がある。環境破壊、白人による搾取、対米追随、政治家の利権追求。抵抗勢力という形で、権力に押し潰されたが、彼の心を折ることはできない。それは自らの利害を度外視した、人類の危機を阻止せんという気概があるからこそ。
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