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寺川枝里子「ヤマブキ②」

「わんぱっくコミック・リバイバル」シリーズから、寺川枝里子「ヤマブキ②」(徳間書店)。電子書籍版はこちら↓
https://www.amazon.co.jp/dp/B09G9N5BG6/
 ヤマブキの母ミケの親友だったピンクは、ヤマブキに古代犬との闘いを止める遺言を伝える。行動を変えないヤマブキを攻撃するピンクに死地に追い込まれて、ヤマブキは守魔として新たな力に覚醒する。繰り返される古代犬の襲撃は、手を変え品を変えての激しさとなっていった。なかなか傷が癒えないヤマブキに、飼い主である町田こうの父・充博士は合成獣としての成長限界を見る。しかしピンクの死をきっかけに、ヤマブキは肉体的にも精神的にも爆発的に成長を遂げる。遂に武蔵野国の総長・血牙が自ら率いて、人間までも襲い始めた。しかし格段の能力アップを遂げたヤマブキは、その来襲を全て退ける。ヤマブキ殺害に失敗した武蔵野国の残党は、古代犬一族の長である黒龍牙に責任を問われて始末される。ヤマブキは全ての諸悪の根源である黒龍牙を斃すために、彼の住む出雲へと向かう。
 猫と犬の闘いなのだから、身体の大きな犬が有利に決まっている。しかも多勢に無勢。しかしそんな不利のハンデを、ヤマブキはものともしない。いつもより大きな理不尽さに、立ち向かってゆく。そして屈服してばかりして、抑圧されていた弱虫たちが歯を剥いて立ち上がる。ヤマブキはそんなみんなの期待を決して裏切ることはない。常に先陣を切って、ぶつかってゆく。それでも限界を迎えたヤマブキが、死地を超える時に、新たな能力の領域に覚醒する。また覚醒するために、亡き母親に導かれる。可能性は挑戦があってこそ開けるものである。

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