大相撲春場所、幕下以下優勝インタビュー
大相撲春場所は幕内と十両を残して、幕下以下の各段全ての優勝が決定。それぞれの優勝インタビューが印象的だった。幕下優勝の謹慎明けの阿炎(錣山部屋)はひたすら神妙。「将来の展望は?」とアナウンサーに訊かれても「早く三役に復帰したい」などと、今は軽口も叩けまい。「相撲を取らせてもらう感謝」は、半年の蟄居生活からして実感だろう。とにかく復帰できてよかった。「相撲協会がなかったらただのデブ。今日からお相撲さんじゃないと言われても状況が分からない」は、2011年に八百長事件で引退を余儀なくされた巨漢力士の山本山の嘆きの弁。
200kgを超す三段目の高麗の国(芝田山部屋)は、30歳にして初の表彰となる。芝田山部屋では初場所に34歳になる魁の幕下優勝に続く、ベテラン力士の快挙。芝田山部屋には仕事で数回行ったが、意外と少人数のこじんまりした部屋。序二段の熱海富士(伊勢ヶ浜部屋)は初々しくて、愛らしい。初場所の序ノ口優勝に続く、2場所連続の優勝。照ノ富士関から「一緒に優勝しよう」と声をかけられ、奮い立ったと言う。伊勢ヶ浜部屋の雰囲気の良さが伝わってくる。序ノ口の村山は眼鏡のせいか生真面目そう。序二段優勝の熱海富士と同期だそうで「熱海富士に追いつきたい」とライバル心を口にした。またコロナ禍での学生相撲競技会の中止に伴って、親への恩返しのために角界入りを選んだという親孝行ぶり。春場所13日目は、関取陣以上に幕下以下が輝いた一日だった。
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