四谷の職人技「四谷志乃多寿司」の助六寿司
何より「助六寿司」が好き。それがコンビニやスーパーで売っていても構わない。ましてや古市庵くらいなら、なおさらいい。新大阪駅から帰りの新幹線に乗る時は「助六寿司」は缶ビールと共に必須だ。先輩である映画プロデューサーから「神田志乃多寿司」の素晴らしさも教わった。
そんな中でずっと気になっていたのが「四谷志乃多寿司」。四谷三丁目と四谷の間を行き来する際に目に止まったお店。昔ながらのお店が、そこだけ異彩を放っている。創業100年の伝統。電話予約が常道と聞いたのでかけてみた。若い女性店員が丁寧に受けてくれた。よかった圧迫受付ではなかった。食べログに載っていたメニュー写真から「のり5+いなり4」820円をオーダー。メニュー以外の組み合わせが許されるのかどうかはわからないが、きっと大丈夫なのだろう。
自宅に持って帰って食べるのは、正月に開催される京王百貨店の駅弁大会以来だ。包み紙も気品がある。割り箸の袋に入ったお店のマークには「商標登録」と記されている。フードパックで買ったので、折りには入っていないが、開けた光景は一種の絵巻物だ。「のり」は干瓢巻。シンナリとなった海苔に、よく味の染みた干瓢。強い酢飯に個性と主張を感じる。「いなり」は『これでもか』という強い甘み。スーパーやコンビニで売っている物とはインパクトが違う。そして合間に紅生姜で舌の味覚を一新する。大満足の助六ランチであった。 超エリートな「神田志乃多寿司」はともかく、ここのところ「四谷志乃多寿司」のようなお店は減った。前はあちこちにあったが、後継者不足で閉店しきり。自分が知っているところでは千住「稲荷ずし松むら」くらい。老夫婦相伝の技が失われるのは、あまりに惜しい。ここ「四谷志乃多寿司」も長く生き残って欲しい。https://tabelog.com/tokyo/A1309/A130902/13092638/
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