好扇亭一門による落語会と尊敬する二人の業界の先輩
お友だちというより業界の大先輩であるYさんの所属する「好扇亭一門🪭」落語会を拝聴。通しで12人が登壇。「雲珍亭雲痴」ことYさんは、相変わらずの政治ネタにうんち💩ネタ「お尻山」。大いに笑わせてくれた。
僕には業界で2人注目している先輩がいる。その1人は、今日のYさん。吉川弘文館で長く営業を務めた方。声がうるさいくらいデカくて明るくて、業界宴会の幹事と言えばこの人。神楽坂にあった日本出版会館で引退を祝う会に私も出席したが、それはあくまで立場上の話しであった。ちっとも引退しないで、ずっとお仕事を続けている。僕がもう一人リスペクトしている方がSさん。長く晶文社で営業を務め、業界の顔と言えばこの人。NTT出版にもいたことがあり、目黒の美味を案内して頂いた。この方も長く仕事を続けて、70歳オーバーまでご活躍だった。プライベートではギターの蘊蓄が深く、腕前もコンクールに出るほどである。応援に行ったこともあった。
このお二人に注目している理由には「人は仕事がなくなったら、どう生きてゆくのだろう」という疑問だった。65歳になってリタイアした同級生が増えた。幸いにして、自分には仕事があった。とってもショックだったのは、お相撲仲間だった飲み友Kさんが、お仕事引退と共に風のように去って行かれてしまってから。親の介護もあったと聞く。業界の話題についてゆくことや、交際の財布を考えると、それが置かれた立場から身の丈相応だったのかもしれない。自分だって釣りやゴルフなどの大した趣味はないし、PTA会長時代に親父の会と揉めて地縁もない。喋れるのは連れ合いだけだ。大金持ちでもないから、海外旅行三昧も無理。きっと毎日お昼まで寝てしまうだろうと思う。そこで『業界の人気者だったお二人はどうされるのだろうか』に興味津々であった。
Yさんは落語に精出しているが、身の回りに落語に打ち込む方は散見される。博報堂だった中野雄一さんもそうだ。さすがの教養である。今でもあちこちで業界の朋友と交流を深めている。家族とも闊達に交わられている。あと阪神タイガース🐯の応援📣に、反原発デモ📣。毎日のように業界夢を見るのは、仕事のことが頭から離れないからなのだろうか。そしてSさんは、区のシルバー人材センターに登録して、自転車整理を始めた。時給はマクドナルド並みで、出勤時刻も不規則だそうだ。それでも頑張って続けられている。その話しを聴いて、以前に弘兼憲史先生の著書『長生きだけが目的ですか? 弘兼流「人生100年時代」の歩き方』の一節に「有償のボランティアをしよう」があったことを思い出した。徳間書店の在籍時に、老いや死とどう向かい合うかという本の電子書籍化を数多く担当した。どの本も達観して書いてあった。しかし本当にそうだろうか。誰もが弘兼憲史先生や曽野綾子先生みたいに、お金持ちや社会の重責的地位にあるとは限らない。迫り来る認知症、忍び寄る孤独、衰える健康、逼迫する家計。そういう下り坂をいかに迎えればいいかを、先輩たちは自分に見せてくれている。