白鵬の兄弟子「光法」
週刊アサヒ芸能で連載されている「白鵬本紀」も、いよいよモンゴルから来た少年ダヴァが宮城野部屋に入門することになる。稽古を見学していたダヴァの目の前に部屋の関取である光法関が現れて、若い者たちに激しい稽古をつける。ダヴァ少年は、その迫力に息を飲む。
光法は1999〜2007年まで関取を務めた。最高位は西前頭9枚目で、下手投げを得意としていた。引退後は年寄として協会に残ったが、立浪一門から貴乃花グループに離脱したため、微妙な立場となって結果協会を退職した。力士時代の光法については、国技館で見た鮮烈な印象がある。取り組みを終えて光法が花道を引き上げてきた時に、たまたまトイレからの帰りで花道の奥の方にいた。テレビカメラが見えない位置まで来てから、光法は急に咳き込み始めて血反吐を吐いた。それを見て『力士は人に弱みを見せないものだ』と尊敬の念とともに感心したものだった。地味な力士だったが、陰の努力がキラリと光っていた。
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