映画「キングダム 運命の炎」
お盆休み期間に、懸案の映画「キングダム 運命の炎」を鑑賞。
「キングダム」映画第3弾。今回は大きく2部構成。前半は趙の人質となっていた、後の国王となる嬴政(美しい吉沢亮)を、闇商人・紫夏(杏)が救い出す「紫夏編」。杏の凛とした美しさと、抱擁力ある神々しい演技が観る者を癒す。女性だからこその母性に、人格崩壊するほど趙で虐められていた嬴政も立ち直る。『紫夏が嬴政の妻になればいいのに(相手が王子だから有り得ないが)』と思ったが。そして前半のエンディングに涙。
後半は「王騎編」。王騎はキングダム読者アンケートで、主役の飛信や嬴政を上回るNo.1人気。漫画の進行スピードと映画の舞台が乖離していて『今さら王騎か?』と観る前は思った。しかしいざ観てみると『たっぷり王騎を味わえた」という感慨に浸ることができた。少しオカマっぽいのだが、王騎はやっぱりいい。懐の深さを感じさせる。「童信(わらべしん)」の台詞は、慈愛に満ちた父のようだ。それでいて賢くユーモラス。大沢たかお演じる王騎は、漫画のイメージそのままの怪演だ。体格改造(わざと20kg太った)しての鎧甲冑姿も様になっていた。
チャンバラが好きだ。鉄砲や大砲の無い時代。腕っぷしだけが頼り。数と戦法で生死が決まる。圧倒的な人、人、人がぶつかる。今回の白眉は、飛信と羌瘣の殺陣コンビ。漫画でも「ターン、タターン、タン」という、羌瘣の舞踏のような旋回剣戟を画面で再現。演じる清野菜名の表情には、ちょっと険がある(河了貂の橋本環奈の方が羌瘣に合っていたかもしれない)。そこに飛信(山崎賢人)がフィギィアスケートのペアのように対となる。王騎から命名された「飛信隊」。その一体感は、体育会っぽくていい。今回は織田信長の桶狭間か、義経の鵯越(ひよどりごえ)かという飛信隊。その武功には、やっぱり心が震える。龐煖が出てきて「次回のお楽しみ」になったけれど、映画「キングダム」は年に一本。毎週の韓ドラを楽しむように、毎年観ればいいのだ。
https://kingdom-the-movie.jp
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