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田端駅での疑問氷解

前から気になって仕方がなかった田端駅保線区にあるこの機械。我慢出来ずに鉄道員の息子に機能を訊いてみた。直ぐに回答が来た。「交換用レールを車両に載せる機械」。つまりレール輸送用の移動クレーンだった。架線下の狭い空間で、線路などの重量物を水平吊りすることができる。保線用の機械として線路切替工事などで使用される。なるほど、さすがはプロ。本人は車掌なので、保線事業は専門外のはずだが即答できる。息子ながらリスペクト。

 幼い頃から乗り物好き。ふつうは小学校に入ったら男の子はサッカーや野球などに打ち込む、次第に乗り物系の興味から逸れてゆくもの。しかし彼はそうはならなかった。ただゴミ収集車や飛行場の作業車両など自動車系が興味から脱落して鉄道一本になった。成長するにつれて鉄道専門誌を読み耽るようになり、一眼レフのレンズなどを買い求めて「撮り鉄」への道に進んだ。鉄道高校に進もうか迷っていたが、鉄道員である(私の)同級生に相談に行って、公立普通高校に進んだ。勉強好きとは言えなかったが、鉄道会社に入るために勉学には精励した。大学に行こうという気は全くなかった。「とにかく早く社会に出て鉄道の仕事がしたい」とハッキリしていた。夢は夜行特急の車掌だった。早くに天職を見つけた息子を家族も応援した。幸いにして希望の鉄道会社に入ることができた。駅務を経て、車掌となったが、3.11の時などはずいぶん辛い思いもしたようだ。そういう苦労を経て、プロの域に達してきたことは、そばで見ていて『たいしたものだ』と、親としてというより、同じく社会を生きてきた先輩としてそう思う。

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