「孤独のグルメ」松重豊さんは全部食べているの?
浅草五丁目の中華「やよい」。最寄駅は三ノ輪だが、都バスなら「吉原大門」というすごい立地。ここが有名なのは「孤独のグルメ」に登場したから。お店に置いてあるメニューは全部で8品だが、そのうち5品が「孤独のグルメ」で食べられた料理。ここまで「孤独のグルメ」に乗っかっているのも、あっけらかんとして清々しい。
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カウンターに座ってお客さんが途切れた時、こんなチャンスも滅多にないと思って「質問していいですか?」。「あゝいいよ」との快諾だったので「松重さんって、あんなに頼んで全部食べているんですか?」と訊いてみた。大将は話し好きな方で、それから20分くらいロケの状況について語ってくれた。「松重さんは全部食べているよ。ただしあれは丸一日かけてのこと。朝7時頃からお店に入って、三つ頼んだら、夜まで時間をかけて食べるんだ。前の晩は食事は抜いてきて、ロケ弁も食べない。それぞれの料理にゆっくり時間をかけて、美味しそうに食べるんだ」。実際にはロケ隊は40人規模でロケバスに乗ってやってくる大部隊だそうだ。
この後は大将の松重讃歌と独自の松重豊論。「本当に腰の低い方でねえ。ほらあそこのサイン色紙だって『やよい様』と書いてあるだろう。みんな『やよいさん』としか書かないけれど、あの人だけは様って書くんだ。俺たちにだって、もったいないくらい丁寧に接してくれる。オイラはもったいないと思うよ。寅さんみたいに『孤独のグルメ』イメージが定着しちゃうと。むしろ松方弘樹みたいにヤクザ映画なんかやって欲しいね。もともと強面だから、さぞかしおっかないと思うよ』。松重豊さんは多くのドラマで活躍されているので、井ノ頭五郎にイメージが固定することはないと思うが、大将の贔屓っぷりも含めて、それなりに愉快な見解だった。