岡本崇監督「ボールドアーズ、君。」🎬試写会
岡本崇監督の新作長編『ボールドアズ、君。』の試写会が開催。会場は「高円寺シアターバッカス」。主催はハッピーモンスターの豊場土彦氏。岡本崇監督は大阪出身で『ディスコーズハイ』や数々の短編で今注目を集めている。この映画は実力俳優・津田寛治が特別出演しており、多くのクラウドファンディングに支えられた作品である。
・予告編
https://youtu.be/9wSy5a7GXGM
何より音楽がいい。全編の8割くらいがコンサートや演奏シーン。ほとんどが監督によるオリジナル曲で、曲そのものがグレードが高い。だから映画というより、コンサートに臨場した気分。中でも劇中バンド「翳ラズ」のリードヴォーカル・瓶子結衣子(後藤まりこ)のステージでのアグレッシブな狂態は、主役を食いかねない勢いがあった。YOUみたいな別嬪だが、歌声はエアロスミスのスティーブン・タイラーかディープパープルのイアン・ギラン並みの迫力だった。そしてステージでのアクションは、女子プロレスラー並みのバイオレンスさがウケた。演奏も東京事変の匁田綴色が参加しているくらいだから、レベルはバッチリ。音楽映画や音楽小説って、主役の音楽をどう扱うかが難しいが、この映画は徹底的に音楽を極めたところに価値がある。
この映画でもう一つ目を惹いた点は、綺麗な女の子がいっぱい登場すること。主役である南條珠(みるきーうぇい・伊集院香織)、珠の親友である暮土真琴(ぽてさらちゃん。)、瓶子結衣子のマネージャー・草薙凪子(下京慶子)。女の子を可愛く撮るのは、とても大事。そこで画面に華が咲く。女子高生の珠はクラスでもハブられていた。しかしスター・結衣子に憧れて、ギター演奏の努力に努力を重ねることで自分を救済する。だから結衣子に手を引っ張られて珠がステージに上がったシーンは、われ知らずブファっと泣いてしまった。思わず珠と一緒に青春してしまった。岡本崇監督の言う通り、たしかに音楽は魂を救うことができる。そこに至るには珠自身の底力。