首の皮一枚で繋がった阿炎
阿炎が日本相撲協会に引退届を出した。場所前、場所中と2回のキャバクラ通いが公になったことからの提出。錣山親方と話し合った末の提出とのこと。受けた理事会で、3場所出場停止と5か月50%の減俸処分と決定。再び問題を起こしたら、即引退を誓約。実際は自粛期間中の10数回に及ぶキャバクラ通いという協会への回数虚偽報告と、同行した幕下力士への口止めで、余計に心証が悪くなった。これで幕下以下に落ちるだろう。それでも引退や懲戒解雇は免れてホッとした。これは錣山親方が阿炎を救うための、乾坤一擲の大芝居だったのだろうか。
かつて力士の馘首は、野球賭博事件(琴光喜、貴闘力など)、八百長事件(霜鳳、春日王など力士21名)。2011年の大相撲八百長事件で角界を追放された、体重266kgの巨漢力士・山本山龍太がインタビューに答えて言ったことば。「相撲協会がなかったらただのデブ。今日からお相撲さんじゃないと言われても状況が分からない」。相撲だけが生き甲斐で取り柄だった若者が、唯一の生存価値を奪われた絶望と苦吟の一言である。阿炎は落ちるところまで落ちて、這い上がって欲しい。照ノ富士だって、宇良だって苦渋を舐めた。阿炎は身体が健康なだけ恵まれている。こんなハンデは直ぐに取り戻せる筈だ。錣山部屋が春場所で宿舎にする大和高田のマツモト書店の女社長は「阿炎こと堀切くんは、十両になっても高い席に座らず、若い衆と同じ席に座るいい奴」と評していた。剽軽で、オッチョコチョイで、欲望に軽はずみなだけ。天真爛漫は叩かれる。心のイノセントさを失わずに、ソフィストケイテッドされて復活して欲しい。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9b0d4a3f54f06d598a4e197c4c7ecd25d3362b56