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笹本稜平「最終標的 所轄魂」

笹本稜平「最終標的_所轄魂」(徳間文庫)。電子書籍版はこちら↓

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 城東署の強行犯捜査係長・葛木邦彦と、警察庁のキャリア組である邦彦の息子・俊史の父子鷹。政界の贈収賄事件を追っていたが、もう一歩のところで、真相は闇に葬り去られてしまった。今回は城東署管内轢き逃げ事件が起こったが、容疑者が大物衆議院議員の息子だった。

 警察も公僕である以上、政治家は上司であり、人事権を持つ強敵だ。しかし「先生」と呼ばれることを当然としている彼らは、自分たちが何をしても許されているという錯覚に驕る。息子の轢き逃げ事故隠蔽という小さな案件が、結果的に政界の裏ロンダリングを明るみに引き出した。巨悪にメスを入れようとする邦彦の上司・勝沼刑事局長に、警察大学校校長への左遷人事が上位下達されんとする。急げもう時間がない、犯人を追って疾走する警察官たち。人事発令までが現場が自由に動けるタイムリミットである。頻発する重要参考人の殺害や自殺。もはや人を人とも思わない権力の狂気。警察庁、警視庁、捜査一課と二課、所轄の組織を超える。現場の警官たちは自らの存在意義を賭けて政治からの圧力に立ち向かう。大人気シリーズ第5作堂々の完結は、警察VS.政治におけるカタストロフィ炸裂の大団円である。

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