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井川香四郎「洗い屋十兵衛 逃して候」

井川香四郎「洗い屋十兵衛江戸日和 逃して候」。電子復刻第35弾。カバーイラストは浅野隆広。1967年北海道生まれ。多摩美術大学卒業。88年よりHBカンパニーに所属し、その後フリーへ。個展3回。書籍装画、新聞、雑誌、PR誌等を手掛ける。
https://www.amazon.co.jp/dp/B08313DZR8/
「洗い屋十兵衛」シリーズは、お家取り潰しで浪人となった月丸十兵衛が主人公。洗濯家業の傍らで、世の中の困った人を「洗い直す」裏稼業。十兵衛に差し出した反物に、そっと五両を忍ばせるのが依頼の合図。谷中富士見坂の銭湯・宝湯に集まって、番台の半次、元岡っ引の菊五郎、浅草大道占い師のさつきの4人チームで事件を解決。洗い屋稼業は、仇討ちや逐電の下請けに非ず。人生を洗い直して、再出発できることが請負の前提である。
 第1巻「逃して候」は、四つの短編で構成。「喪服の女」は、亭主殺しの疑いをかけられた妾の窮状。「穢れた打掛」は、娘と許婚を殺された父親の無実を晴さんとする。「花魁の緋縮緬」は、吉原の売れっ子太夫の最後の願い。「月見草と二人羽織」は、格上女房を娶った妻の不義密通に苦しむ亭主の煩悶。

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