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銀座矢部の奇想天外メニュー

銀座八丁目にある高級(そうな)割烹「銀座矢部」。ここには意表を突いた珍メニューがある。お昼は会席料理だけでなく蕎麦を出す。その中に「ちぃずそば」がある。念のために事前に電話して「お昼は蕎麦だけのオーダーでもいいか?」と下調べの質問。『コースの最後の締め料理だったら困るな』と不安だったので。「もちろん大丈夫です」と力強い答えをもらって意気揚々と出かけた。
 実際の「ちぃずそば」はオリーブオイルに浸した蕎麦に、パルミジャーノチーズが別盛りになって出てくる。食べ方は3段階ある。①何もつけずに蕎麦だけ食べる。ほんのりとして薄味がついている。②パルミジャーノチーズをドバッとかける。③残り少なくなったら鰹出汁をかける。教わった通りに進めてみる。①で蕎麦の妙味を楽しみ、②は衝撃的に美味しかった。③はせっかくの②が消えてしまって余計な気がした。食べ終えると蕎麦湯が出てきて、これが新しい蕎麦ツユで嬉しい心配り。ホールの女性と話していて「今出て行かれたお客さんは、ずっと何年もここに『ちぃずそば』と『納豆うどん』を食べに来るんですよ」とクスッと悪女風に笑う。思わず「じゃあ『納豆うどん』も食べに来ないとね」「是非いらして下さい」。預けたコートを着せてくれながら、当意即妙の営業トークに感心。蕎麦も接客も一流のお店である。
https://s.tabelog.com/tokyo/A1301/A130103/13055397/

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