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斎藤栄「北海道殺人紀行」

斎藤栄「北海道殺人紀行」。北海道を舞台に、花にちなんだ四つの短編集。いずれの作品も、神奈川県警を定年退職した星月源吾が、持ち前の探偵能力を発揮する。四つの作品ともに「可憐な花に秘められた殺意」と謳われており、女性を北海道自生の花に例えて、美と棘を作品に描き込んでいる。
①ハマナシの花ある死体
家族とオートキャンプ中に、偶然再会した娘の高校時代の友人から、女性英会話教師によるストーカー行為の相談があった。教師の自宅を訪れると、彼女の絞殺死体を発見。間もなく死体が消え、ハマナシの花が。
②雷電岬の告発
妻の友人の夫がカメラを持ったまま失踪。夫と息子は不仲で、喧嘩中であったとのこと。息子も行方がわからなくなり、雷電岬でカメラだけが発見された。見つかったカメラには、りんどうの花が映っていた。
③リラの美談
リラ酒を作るために、リラの花を採取しようとして、足を滑らせた源吾。骨折して入院した先で「戦友会」の友人と会い、退院後に友人に手紙を出すが、返信のないことを不思議に思って連絡すると、友人は突然死。
④ドクゼリの花の女
突然、源吾に届いた不思議な手紙。不仲な姑を毒ゼリで中毒死させようとしている自分を探し出して、犯行を止めて欲しいという内容。源吾は妻の冴子とともに、手紙の差出人の捜索を始める。
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