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世にも美しいホラー映画

 話題の映画「ミッドサマー」(アリー・アスター監督)。韓国映画「パラサイト」も良くも悪くも変な映画だと思ったが、これは「パラサイト」を上回る奇妙な映画だった。端的に言えば、世にも美しいホラー映画。宗教問題だけでなく、移民問題や人種差別まで根を張る、噛めば噛むほど味のある映画。
 家族を喪って心に傷を持つ女性ダニー(フローレンス・ビュー)と、彼女の恋人である男性クリスチャン(ジャック・レイナー)。二人の仲には、やや心のズレが生じている。そんなアメリカ人のカップルが、友人たちと共に、夏至に訪れたスウェーデンの奥地・ヘルシングランドにあるボルガ村への旅行の物語。クリスチャンの旅行の目的は論文のテーマ。ボルガで90年に一度の祝祭が開かれるということだった。
 スウェーデンの夏至は、白夜なので夜がほとんどない。到着した場所はコミュニティ。皆が白装束で、綺麗で親切。しかし90周年の儀式が始ると、雰囲気は一変。一種のカルト集団の儀式は、部族の中で生贄を求める。更に我に帰ると、一緒に来た友人たちが次々といなくなっていた。近親相姦による滅亡を防ぐために、部族は血の混合を求めて、外部の人間との交合を求める。ダニーとクリスチャンの二人は、これらの過程で、数々のおぞましい光景を見ることになる。エンディングのカタストロフに向かって、狂気の光景は次々と二人の前に繰り広げられる。
https://www.phantom-film.com/midsommar/

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