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家栽の人

9/29テレビ朝日で放映された「家栽の人」を観た。「家栽の人」は小学館ビッグコミックに掲載されていた漫画。植物を愛する家庭裁判所・桑田判事を描いている。この作品の絵を描いていた方が、仕事でご縁のある魚戸おさむ先生。「わんぱっくコミック・リバイバル」で「ぐわんばれ金太郎」を描いた方である。テレビ番組としては久々の第2弾であった。
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 今回の作品には2つの軸がある。一つは離婚調停における親権争い、もう一つは少年犯罪のフォロー。前者はファッション雑誌の編集長である妻が、娘に会うために親権を前提とした離婚訴訟を起こす。家を出た妻は生活力の点で幼い娘は自分が育てるべきだと主張。肝心の娘は両親の諍いに心を痛めている。息子を喪った保護観察官は暴力事件を起こした少年の面倒を見るが、2度目の暴力沙汰を起こしてしまう。桑田判事は離婚調停では、両親の間に立つ娘の気持ちを慮る。そして娘を育てる権利が欲しいのか、それとも娘の心を取り戻したいのかを問う。少年犯罪の方では保護観察官に反抗的な態度を取る少年の過去を調べる。調べた上で少年の本当の心の奥底をじっくりと引き出してゆく。いずれも事件の表層だけを見ず、関係者が何を欲しているか、どんな解決策で幸せになれるかを俯瞰する。その心は、植物も根さえしっかりしていれば枯れることはないという信念。観ている自分も桑田判事に世話される植物のように心の琴線が震える2時間ドラマであった。
https://www.tv-asahi.co.jp/kasai/

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