
ミステリー作家の斎藤栄先生が逝く
ミステリー作家の斎藤栄先生がお亡くなりになられた。齢91歳とのこと。徳間時代に多くの作品の電子書籍化をお手伝いさせて頂いた。非常に多作の小説家だった。人間の浅はかさや欲望を深く抉った作品群で、全国各地を舞台としていた。特に女性の性や業を描いた作品には鬼気迫るものがあった。また斎藤栄先生は神奈川県有数の進学校・湘南高校のご出身。湘南高校は、自分たち翠嵐出身者からすると永遠のライバル。鎌倉が舞台の作品が多いのはそのため。

自分が担当した斎藤栄先生の作品は以下の通り。★マークは担当した頃の自分のお薦め作品。柏木院長、タロット日美子、甲賀産婦人科医、江戸川探偵長などのシリーズがある。どの主人公も本業はあるのに、頼まれもしないのに周辺の事件に首を突っ込んで解決する名探偵であった。いつも解説を書いていた影山壮一先生とは、元日刊スポーツの記者だった。

柏木院長は結婚退職した元ナース・神谷奈々のトラブルに巻き込まれる。

香川のレノマワールドを舞台の事件に、タロット日美子が腕を振るう。

柏木院長が遭遇した、鎌倉にできたテーマパークで起こった殺人事件。

特急「はつかり」内で続発するカップル車内盗で、江戸川警部が出動。

執筆当時の世相(戸塚ヨットスクール)になぞらえた事件簿。

数奇な縁でパーティに同席した人々を繋いでいた、運命と怨念の糸。

国際交流に仕組まれた愛と献身の哀しい物語。

北海道を舞台に、花にちなんだ四つの短編集。

愛する故の行為が裏目に出る人生の悲哀。

産婦人科医だからわかる女性の真実、密室の謎を解く。

全裸で彷徨していた若い女性の体内からは「秘薬」が検出。

バラバラ殺人に挑む産婦人科医、甲賀陽一の名推理。

金持ちの親に見放された子供たちの震える学窓、江戸川探偵長の驚愕。

子規、虚子、漱石、芭蕉、龍之介。文豪の名句にちなんだ怪事件。

50年後に父が息子に本当の幸せとは何かを伝える。

ミステリーの巨匠が時代小説、あっと驚く地学トリック。

祝・開港百五十周年 いま、明かされる横浜開港の謎。

白秋遍歴の地で連続殺人。

江戸川探偵長、災害列島を走る。

吉野川に浮かんだ男が残した暗号文。

恐るべき子供たちの名門高校襲撃計画。

産婦人科医・甲賀陽一の女体犯罪講座。