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「マタイによる福音書」第4章18〜25節「主の招きに答えて」

9月29日における尾久キリスト教会の広瀬邦彦先生による説教。テーマは「マタイによる福音書」第4章18〜25節「主の招きに答えて」。

「マタイによる福音書」第4章18節
「マタイによる福音書」第4章18〜25節


 この箇所はイエスの最初の弟子4人との出会いの場面である。弟子とは生徒とは、ちょっと違う。生徒と教師の間柄は教室の中だけだが、弟子は師匠と生活を共にする。ペテロ、アンデレ、ヤコブ、ヨハネはいずれも漁師であった。ガリラヤ湖はよく魚が獲れる、豊かな漁場であった。ここでイエスは4人に自分に付き従うに際して、約束を与えた。それは「人を獲る漁師」であった。これは人の魂を神のもとに連れて行く働きを示す。神は彼らの過去を否定しない。それこそが神のご計画である。自分も高校時代は放送部にいた。その頃に体験した番組製作は、アイデアを形にする、表現を伝えるなど、とても貴重な体験だった。文章を書くこと、説教をすることなど、今の牧師生活にも活きている。失業、手術、家庭での苦労を経た人は、同じ苦しみを体験している人の気持ちがわかる。ローマ人への手紙第8章28節には「神は、神を愛する者たち、すなわち、ご計画に従って召された者たちと共に働いて、万事を益となるようにして下さることを、わたしたちは知っている」とある。

ガラリヤ湖のイエス
ペテロ

 今日の23節以降はイエスのガリラヤ地区での活動が紹介されている。そこには弟子たちも随行している。弟子たちはイエスのそばにいたことで、自らの目と耳で教えや奇跡を学んだのである。それは頭ではなく身体での学びだった。自分はどちらかと言えば、考えてから動く人だが、世の中には動いてから考える人もいる。ある解説者は、この時のイエスの言動が「私を信じなさい」ではなく「私に従いなさい」であったことに注目している。そのことが4人に信仰を与えた。先ずは教会に奉仕すること、伝道すること、祈りに参加することが肝心。ドイツの牧師であるデートリッヒ・ボンヘッファーは著書「キリストに従う」で「信じるなら第一歩を踏み出せ。その第一歩がイエス・キリストに通ずるのである」述べた。そして今日の第23節以降には群衆が登場した。イエスによる病や傷の癒やしを求めて集まったのである。そこには2種類の人々がいた。一方は弟子であり、もう一方は群衆である。弟子たちはイエスに忠誠を誓い、自らの犠牲も覚悟していた。群衆はイエスの起こした奇跡に感激し、イエスのそばにいれば何かいいことがあるのではないかと期待した人々である。そのような群衆をイエスは否定しなかった。愛と慈しみを以って答えたのである。教会にはいろいろな人がいてもいい。熱心な信徒もいれば、年に1回のイベントに来るだけの人がいてもいい。「私に従いなさい」という主の内なる囁きに、はじめの一歩を踏み出して欲しい。

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