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「父の日記」その後

 2005年の夏、戦後60年を記念して、新聞社でもテレビ各社でも八月の終戦記念日の頃には、多くの戦争関連の特集記事や番組が組まれた。そんな中、私のところにも日経新聞の影井記者から取材の申し入れがあった。影井氏は、私の亡父が残した戦犯時代の記録が見たいとのことであった。影井氏は、2000年に荒俣宏先生が監修した「インターネット博覧会」(略称:インパク)というイベントが政府(内閣総理大臣官房)主催で開催され、たまたま私が日本フィナンソロピー協会という視覚障害者のための音読資料を作る団体から音読資料作成のための素材提供の依頼を受けて、亡父についてエッセイを書いたことがあった。影井記者は、この文を読んでいたのだった。ずいぶん以前に「目ん玉」でも亡父の前半生について紹介したことがあったが、もう一度それをここに要約してみる。

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