テレビ体操卒業メッセージ(加藤由美子・原川愛)
これまでNHK「テレビ体操」についてあった不満が、登場人物たちが卒業する際に、何の予告もメッセージもなかったことだ。ニュース番組のメインキャスターとかは、ずいぶん交代劇をウェットに行うのに、テレビ体操でのテロップすら流さないドライさは、あまりに淡白であった。新人の加入と同時に「テレビ体操」HPで出演者リストを見て、誰が卒業したかを結果的に知る状態だった。最も交代が激しいのがアシスタントだが、それは指導者でもピアニストでも同じ。テレビ画面とはいえ、あしかけ12年も毎朝を共にする仲。『何か一言あってもいいだろう』と思っていた。
それが今回はピアニストの加藤由美子さんとアシスタントの原川愛さんによるお別れの挨拶コーナーをNHKサイトの片隅に見つけた。加藤由美子さんは24年間、原川愛さんは8年間テレビ体操に出演されていた。加藤由美子さんは記録魔で、47都道府県およそ400回、380自治体を巡ったラジオ体操巡回日誌が集まった写真が印象的。原川愛さんはオーディションへの合格から、自分の動きの癖の矯正、そしてコロナ禍で2年間休止していた体操会が山口県で復活した感動を振り返っていた。それぞれの活動への努力や思い入れが読めてよかった。テレビ体操は国民誰でもが手軽に無料で参加できるストレッチであり、筋骨維持である。国民全体の健康に全心全力で献身してくれたことに感謝。