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斎藤栄「横濱太平記」

斎藤栄「横濱太平記」。電子復刻第22弾は、斎藤栄の時代小説第2弾(これでラスト)。前作「湘南太平記」で結ばれた蓮次郎とお静は、かながわ宿で歯科医となる。独身時代は、蓮次郎はお静と比べれば子供っぽかったけれど、夫婦になれば、蓮次郎の夫らしい責任感と落ち着きも出る。師匠の加平太が火盗に襲われて殺され、目の不自由な娘・お光は行方不明になる。その火付け事件を調べた先に、公儀の悪辣を探り当てる。犯人を追う中で、二人は幕末維新の大物に遭遇することになる。蛇足だが、江戸時代の父娘の関係にも『こんなセクシャルな親孝行があるのか?』と驚愕。これも産婦人科医シリーズを書いた、斎藤栄先生だからこそ描けるエピソードなのだろう。
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