宮崎和穂ギターリサイタル「the first」
横浜マリンタワー🗼の真ん前にある「あかいくつ劇場」で開催された、宮崎和穂ギターリサイタル「the first」。宮崎和穂(28)は音楽一家の三女として生まれ、5歳からギタリスト石田忠先生に師事してきた。小学校6年生で「神奈川県新人ギタリストオーディション」で最年少首席合格、高校生3年生の時に、横浜交響楽団からのオファーで、ロドリーゴ「アランフェス交響曲」を協演。輝かしい前例だが、音楽の道を選ばなかった。実生活は窓口に立つ薬剤師と手堅い。しかし今でも請われればライブハウス等で演奏している。たまたま石田忠氏の門下生の発表会を観ていた音楽プロデューサーが、今回の独演会の声をかけた。リスペクトしているのは世界的ギタリスト・朴葵姫。今後、二足の草鞋を履くかどうかは、これからの課題。
僕はギターは素人なので、当たっているかいないかはわからないけれど、美しく幻想的な演奏だった。目を瞑って聴いていると、もちろんギターなのだけれども、ハープに聴こえたり、ピアノ🎹っぽく聴こえたり、琴のようにも聴こえたりして、変幻自在で独創的な音だった。どの音も割れておらず、ところどころで星が光っているようなシットリした響きだった。ギターに詳しい先輩に言わせれば「歌心がある」との賞賛だった。喋るのはやや苦手なようだったが、そこは恩師の石田忠先生が上手くカバーしていた。
いずれにせよ若き才能の輩出はめでたいことだ。クラシック音楽ファンにとって、ギターは「アランフェス協奏曲」以外は、ちょっと異世界。ブルックナーやマーラーが登場するような世界ではない。むしろアルゼンチン🇦🇷タンゴとか、ちょっと毛色の違う曲が聴ける。今日は素人向けサービス選曲もあったが、聴く音楽を広げるという意味で楽しいコンサートであった(ステージ写真の掲載は主催者の了解を得ています)。
◆当日の演奏曲
《第1部》宮崎和穂独奏
① A.C.ジョビン「フェリシ・ダージ」(しあわせ)
・映画「黒いオルフィス」のボサノバ主題歌
②J.S..バッハ「無伴奏チェロ組曲第1番プレリュード」
・弓を引くチェロ、弦を弾くギター、同じ曲なのに違った印象
③J.イルマル「バーデンジャズ組曲」から「シンプリシタス」
・チェコ🇨🇿の情熱❤️🔥
④久石譲「人生のメリーゴーランド」
・映画「ハウルの動く城」メインテーマ
⑤ディアンス「リブラソネチオよりフォーコ」
・ロック×ジャズ×アルペジオのドライブ感
《第2部》
⑥森正明「また君に恋してる」石田忠独奏
・坂本冬美ちゃん💕「いいちこ」CMソング
⑦ヘンリー・マンシーニ「ひまわり」石田忠独奏
・ウクライナ🇺🇦のソフィア・ローレン👩
⑧F・ソル「アンクラアージュマン(はげまし)」二重奏
・ギター界のベートーヴェンの4楽章の大曲
⑨ローラン・ディアス「なめし皮のタンゴ」宮崎和穂独奏
・奔放なタンゴ
⑩ヴェルディ「椿姫幻想曲」宮崎和穂独奏
・イタリア🇮🇹の歌劇王ヴェルディ曲をターレガが編曲
《アンコール》
⑪アンドリュー・ヨーク「Home」宮崎和穂独奏
⑫スタンリー・マイヤー「ディアハンター」二重奏