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ナースコールは誰がとるのか

自分はHSPだと認識して
まず最初に取り組んだのは

“ナースコールをとらないこと”だった。

もちろん仕事放棄、ということではないので
誤解はせず続きも読んでいただきたい。

それまでのわたしは、
“勤務時間のナースコールは全て自分がとる!”
という認識だった。

最初に配属された病棟では
忙しいがために十分指導ができない、という理由で
毎年新人が1人しか配属されない部署だった。
つまり、わたしには病棟内に同期がいなかった。

そしてその病棟では
“いかに先輩を動かさないか”が
暗黙のテーマとなっていた。

“先輩を動かさない”=”仕事ができる”

という、
今思うと誤っている認識が自分に根付いていた。

とはいえ、
自分としては後輩に同じこともしたくなく

後輩ができてからも
ひたすら少しでもナースコールが鳴れば反応し、

違う患者さんの対応中であったときでさえ
とれなかったときには自分に絶望した。

でも心の中ではもやもやもしていた。

ずっと座っている先輩たちは
今日はあいつがいるからラッキーくらいに
思っているんだろう。

そんな思いも微かに抱いてしまっている自分もいた。

そんな折、繊細さんの本に出会い
自分の働き方を見つめ直すこととなる。

ナースコールがとれた、とれなかったで
一喜一憂するのはどうなんだろう。

それって振り回されてないかな。

わたしだけ頑張ればいいのだろうか。

でも
仕事ができないやつだな、
最近手を抜いてるな、

そう思われてしまうのも怖い。

そんな自問自答を繰り返していた。

そこでわたしはとりあえず
“3回に1回、ナースコールをとるのをやめてみる”
ことを試してみることにする。

もはやナースコールが鳴る前の機械音で
身体は反応するけれども、
とりあえず患者さんに影響がでないであろう
5秒程待ってみる。

すると誰が対応してくれる。

わたしは心の中で”ありがとうございます”という。

それをひたすら繰り返す。

そして1週間くらい経って、ふと気づく。

“ナースコールを3回に1回とらなくても
誰も私に対する対応は変わらないんだな”

そういう、いわゆる”成功体験”を積み重ねていった。

するとそのうち自然に
ナースコールがとれなくても
自分に罪悪感や絶望を感じなくなっていった。

そして自然に相手に
心からありがとうございますといえるようになった。

看護師はチームで働く仕事。

わたしが常に120%じゃなくても大丈夫。

相手に頼ったり、頼られたりしながら
働けることが大切なんだ。

そう心から実感できたとき
肩の荷がすうっと降りた。

その後はもう何回に1回、なんてことは考えず
とれるときはもちろんとる、
でもとれないときは相手にも頼る。

そんな自然な頑張り方ができるようになった。
これが自分を変えることのできた第一歩だった。

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