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【ホラーの扉】ホラーを解説しているホラー本!

ホラー界隈でいま話題? の小説「ホラーの扉」を読みました。

ホラーて言っても最近は様々なジャンルのホラーが出てきていますが、これらをざっくりジャンル別に分けて、それぞれの怖い話とその解説が書いてあります。どの怖い話もその道のスペシャリストが書いてあるだけあって、怖くて面白いです。

それでは以下ネタバレありの感想です。


ネタバレありて書いていますが、そんなガッツリネタバレしません。個人的に怖かったのが、五味さんのお話ですね。リアリティがあり描写が細かくて読んでいてすごく息苦しかったです。作者は忘れましたが、昔読んだお話でビルとビルの間に挟まって抜け出せなくなった会社員のお話を思い出しました(*´-`)

澤村さんのみてるよも王道的な怖さがあって面白いです。得体の知れないものへの恐怖、そして理不尽に降り注ぐ絶望、これぞホラーて感じです。逃れる方法がわからなくて理不尽にやられるのは怖いです。人は未知のものを恐れるという本能を刺激するお話ですね。

雨穴さんの告発者も好きです。ホラーというよりサスペンスですが、この本によるとサスペンスホラーに分類されるようです。徐々に明らかになっていく謎、そして最後の衝撃の事実、その告発者の正体にきっと驚くはずです。

終わった町はボクには難しいお話でした。意味がわからないまま物語が進んでいき、最後で何となくわかるのですが、頭に?マークが浮かんだまま終わってしまいました。解説を読んでも難しい……! もしかしたら苦手なジャンルなのかも知れません。

地味に好きなのがさよならブンブンです。最初のいじめの描写がなかなか生々しく、読んでいて鬱々としてきますが、最終的にいじめっ子たちはひどい目にあって消えていきます。いいぞーもっとやれーて思って読んでいましたが、優しい主人公はその行為を辞めるよう言いつけるんですよね……。最終的にハッピーエンドで終わるのでよしとします。ちなみにサブタイトルの付け方に感心しました笑

SFホラーて書いていましたが、全然SFじゃないんじゃあて思っていたらしっかりSFだった11分間も見逃せないです。これ読んだ後はそうでもなかったのですが、解説を読んでからもう一度読み返しました。なるほど深い……。

最近ちょっとずつハマっている実話怪談系のお話も収録されていました。さすがだなーと。この怪談の話はちゃんと田中さんが怪談を語っている音声も聞くことができます。読むのと聞くのとではまた違っていて面白いですね。

梨さんの民法第961条は梨さんらしいと言いますか、読んでいる側を巻き込んでくるんですよね笑。最初は何となくふむふむて読んでいるんですけど、途中から様子がおかしくなってきて、気が付けば現実に侵食してきます。実にいやらしい笑。よくできていて面白いです。

気が付けば全話の感想を書いていました。どのお話も面白くて良かったです。短編なのでサクッと読めるのもいいですね。話の最後にちゃんと解説があるのが新鮮で面白かったです。この本を読んでホラー好きな人が増えたらいいなあて思いました。

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