愛と呼ぶには
「まだ分からないけど」
「今は、君がいい」
私でいいの?探る言葉をそんなふうに受け留めてくれる君が、私の恋人になった話。
絶望を抱えて生きたくない。
だのに取り繕わせて貰えない。
諦めて、一切の混沌を溢れさせて終わる日々を救ってくれたひとはいつも顔を知らなかった。
看護師向いてないよ
人を傷つける事が本当に得意だね
へんなひと。
─知ってるよそんなこと。
幾度となく言われ続け、偽善的な眼差しで時には目さえ交差せず突き放されてきた過去なんてずっと守るしかないんだ。
そんなこと、あんたが言わなくたって知ってるよ。
しんどい。って吐いた言葉が意志を持ってくれたらよかった。
そうしたら揺さぶられることも無く、私の意図したまま潰えていくのに。
私のどこが好き?
「さっき沢山笑ったでしょ」
「あの時に、こゆとこだなあって」
実は思ってた。
いたずらっ子のような、何かを慈しむような微笑みを私が生み出せたらしい事実が恋人の特権ならなんて幸せなのだろう。
欠点だと後ろ指ばかり刺されてきた一欠片を君が見つけて大切にしてくれた。
掴める幸せは掴むべきだとあの子が言った。
今はまだカタチに収まるのが怖いけれどいつか日常にしたいから。
だからどうか。
どうか紆余曲折の行き着く先がユメでありますように
夢はユメの中で見るんじゃなくて
夢の中で見るものなのだと
葩を歌い上げる人たちが言っていたように。