先生だってオンライン授業はつらい!
オンライン授業が続くことで大学を相手に学費の減額など求める訴訟を起こした大学生がいるらしい。
まあ、学生の不満もわかる。その大学に通うために大学近くで一人暮らししてネット授業って、そりゃ「こんなはずじゃなかった」だよ。
ただし、海外の学生なんて、日本語学校にお金払ったのに日本にこれなくなって、自国でネット授業受けろと言われ、学費そのまま返ってこなかったりもしている。留学が取り消されて進路が大きく狂った学生もいる。
まあ学校側も学費減額なんてしたら経営が成り立たなくなるという事情もあるだろう。ただでさえ、留学生でもっているところもあるのに、コロナでそれも減ってとなると、留学生もかわいそうだけど大学だってたいへんだ。
でも若い子の貴重な学生時代は戻ってこない。修学旅行やイベントも我慢して友達と多くの思い出を作る時間も失われて、前述の学生の不満も大いに理解できる。
でもね、先生もつらいんだよっ!!!!!!!
コロナになってから私はずっと勤め先の大学に戻れず日本でネット授業をしている。かつての私の授業は、学生たちに大人気で他校からも見学が来てにぎわっていた。
教えているのは日本語だけど、私がやっていたことは、とにかく楽しんでもらうこと! そしてみんなで遊ぶこと! 遊び道具が日本語!ただそれだけ。
シュミレーションやゲーム、ロールプレイ、「イケメン」や「美女」というカードも使った他クラス巻き込む借り物競走、授業はエンタメ! 基本勉強は自力の努力。モチベ向上のために授業がある。楽しけりゃ勝手に勉強するし、教師はいつもご機嫌に一緒に楽しむのがモットー。
オンライン授業になっても私のそのスタンスは変わらなかった。時差があろうが生放送にこだわったし、学生との交流を大事にした。オンラインならではの初音ミクLIVEや日常動画制作、歌に踊りにYouTuber目指してんのかってぐらいの努力はしてきた。質問の受付は24時間。一人一人と向き合う姿勢は変わらない。
でも戻れなくなって2年近く。会えないまま、親しい学生たちの卒業を2度も迎えた。卒業までに会いたいという学生たちの願いに応えられぬまま。
もう向こうの大学は完全対面授業で、海外から戻れない先生のためだけにオンライン授業がある。それって学生にとって意味あるの?
それこそ学費返せと言われたって文句も言えない。でもあの子たちはそんなことは言わない。まあ他の日本人先生が短い動画を送りつけてくるだけなのには怒ってたけど、作文も原稿用紙に書かせた画像送らせて一人一人添削してる私の熱意はちゃんと伝わってんだろう。
でも正直もう「遠恋に疲れた」みたいな気分だ。情熱の持続が困難。
しかもネット環境があまりよくないのと、問題多発で新学期早々授業が成り立たず補講。今やどこに住んでいてもネットで簡単に世界の人と繋がれるこの時代。
でも私はやはり直接交流したいんだよ!
顔見て一緒に泣いて笑って学生時代の青春の思い出を共有したいんだよ!
まあだから前述の訴訟起こした学生の気持ちも痛いほどわかる。本来なら大学に近い自分の部屋は友達の溜まり場になってたかもしれないし、彼女と半同棲なんて展開もあったかもしれない。
でもね、先生だってつらいんじゃ!!!!
他人とつらさ比べや我慢比べしろって言ってるんじゃないよ。みんなつらいから耐えろってのもナンセンス。私はただ自分のつらさ吠えてるだけ。他人のつらさもわかるけれども、それでも自分のつらさは自分のもの! 誰かを敵や同志にしても意味ないし、それで気が晴れるわけでもない。
ネットの問題に対して、なんとか打開策求めて、携帯の電波を求めてウロウロ。やっと電波が届いた地点は藪蚊地帯。刺されまくりながら、私何やってんのかなーと思ったり、授業の失敗が思った以上に堪えた。
世界中、どこにだって行って住めるぐらいの行動力とバイタリティはあるのに、IT関係吐き気がするぐらい苦手すぎて、ネット社会ではフッ軽とはいかず、それこそ時代に取り残された気分だ。
学生たちの温情でクビになってないだけなんじゃないかと思うし、モチベ上げさせるどころか自分の必要性もわからなくなっている。まあでも過去の栄光?しがみついてもしかたないから、新しい海に向かう波に乗るしかない。でも今それってネットの世界にしかないの?
古い殻を捨てることはいつでもできる。でも新しい殻が見つからない。ヤドカリ今日も漂流中。