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レアルマドリードの今と未来を各試合から理解する19/20シーズン編

執筆現在(1/15)リーグ順位は2試合未消化のアトレティコに勝ち点差4をつけられ、宿敵バルセロナには勝ち点差3をつけて2位の位置に甘んじている。"2位"と聞けば聞こえは悪くは無いが、事態は深刻なのかもしれない、、、、では何が原因なのか?クラブはどう解決するのか?といったことを多面的に見ていく。今回のパートでは今現在のマドリーを見る前に重要な変遷過程となる試合に触れる。

レアルマドリードの変化を語るにはやはりあの男の退団無しではいけないだろう。そうCR7。では何故19/20シーズンからなのかと言うと18/19シーズンは監督も入れ代わり立ち代わりで、順位も一時9位ぐらいまで落ちてたしマドリディスタにとっては無かったことにしたいし、実際何も無かった。という訳で19/20シーズンから振り返える。

アザール、ロドリゴ、ヨビッチ、メンディ、我らが久保などの新戦力の加入&ヴィニシウス本格始動2年目。開幕から9節まで唯一負け無しのクラブだったが、引き分けで終わる試合も多く不安定なものだった。そこからまずジダンは18/19のクライシスと決別するため守備を整えようとした。チームを手っ取り早く変えるよくある手法だね(ガットゥーゾ就任時のナポリなど)。ベテラン達も走らせ、奪われたら前線からプレスを欠けて即時奪回するショートカウンターをしようという単純な話。ジダンは国際的にライバルになるであろうクラブとしてクロップリバプールを挙げていたのでそれも関係してると思われる。

基本的なプレス

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4-3-3からまえがかりな4-2-2になる。その際片方のインサイドハーフのモドリッチ(バルベルデ)とベンゼマで2トップの形になり相手CBへプレスをかけ、もう片方がアンカーを抑える。ウィングはSHの位置まで降りてしぼる。また前がかりのマンツーマン気味になるので浮いた相手をラモスのインターセプトで抑える。綺麗にハマってるように見えるがこれは結構リスキーで、相手GKが足元があり一気に裏に蹴れる場合とワンツーなどで上手くプレスを外された場合だ。そうすると広大なスペースがある中でラモスのインターセプトかクリアが上手くいくかにかかってしまう。19/20シーズンの相手が対応出来てない&選手達が走れる序盤戦は有効だったが問題となるのはその後、、、、

CLGS PSG 2nd Leg

この試合は前述のプレスがよくはまっていた。イスコが守備時2TOPの一角になる形。イスコはコンディションがよく攻撃時も降りてきすぎず1点目に絡むなど攻守で躍動していた。だがこの試合を決定づけたのは左サイド、マルセロとアザールの巧みなスイッチとマルセロの高精度のクロスによって2点目と多くの決定機を演出した。がここから悪夢が始まる。マルセロとアザールの対応に苦しんだトマムニエが同代表の宝アザールに軽率に足を出し後の怪我地獄の始まりになる骨折させてしまったのだ。チームも試合の80分代にアンラッキーな形で失点、更に2分後に失点と完勝に思われた試合を引き分けにされ後味の悪い終わり方をした

https://www.sofascore.com/real-madrid-paris-saint-germain/UHsEgb


第10節エルクラシコ12/19

前節バレンシア戦試合終了間際クルトワ高打点ヘッドを起点に追いつき引き分けに持ち込んだことで勝ち点35で並びむかえたエルクラシコ。アンカーを起点にビルドアップするバルサだがブスケツは体調不良から急遽ベンチへ。しかしビルドアップの形は変えずに来た。対しマドリーは4-3-1-2で図のようなマンマークをし、2トップはキーパーまでプレスに行かないことでアンカーを完全にシャットダウンする形をとった。つまりは基本的なプレスではない例外的な対バルサ用の形。マドリーのビルドアップは完全に個人能力によるものだったが上手くいってたので問題なし!それにより相手ボールを素早くマドリーが回収できていたが、キーパーまでプレスに来ないことを逆手にとったテアシュテーゲンはゲートを低いボールで通し、裏抜けの動きで中間にスペースを作るスアレスにポストプレーさせて一気に高い位置での攻撃を可能にした。マドリーはこれに対策できず苦しんだ。結果はスコアレスドローだったものの互いに決定機は多く、ピケラモスのスーパークリアもあってクラシコに相応しい白熱ぶりだった。

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https://www.sofascore.com/real-madrid-barcelona/rgbsEgb

CLラウンド16シティ戦

ペップ・グアルディオラとはここ10年のサッカー界にとって重要な存在である。だがマドリディスタにとってそれは素直に認められるものでは無いのだ。辛酸を舐めさせられた歴史でもある。そんな訳で負ける訳にはいかないこの1戦だった訳だが、、、振り返っていこう

まずは1stレグ。マドリーは守備は最初に書いた「基本のプレス」、攻撃も特に普段と変わった様子は無かった。しかしこれが問題でシティはプレスがハメられそうになるとエデルソンの健脚で一気に背後を狙うのだ。それはマドリーの弱点を突いている上に裏をつけなくても相手に1からビルドアップさせ直すことになる。これはもう1つ同時に弱手をつくことになる。それはカゼミロという存在によるものだ。カゼミロは圧倒的守備力によるバランサーとしてアンカーポジションであるがプレス耐性はモドリッチクロースと比較すると格段に低い。中央のカゼミロにパスが入った瞬間そこを囲みとるという算段だ。それによってラモス退場前のミスを誘発されてる。とマドリーの戦術的敗北要素を取り上げたがこの敗戦は運が悪かったと思える。何故なら同点弾のクロスも狙った感じはないし、逆転弾になるカルバハルのPK献上も普段なら滅多にない。こちらの攻撃も入ってもおかしくないシーンは多かったし何とかなる範疇だったと思う

2ndレグ、こちらについては大して語ることは無い。ただシティレベルの相手に対し特段の対応策を講じていないのが丸出しだった。「例え相手にプレスをはめられていても個人技でビルドアップを成立させるのがマドリーだろ」と言われればそうかもしれない、しかしディフェンスラインを攻守で統率するラモスがいない時にそれをそのままやらせるのは名将とは言えない。それこそ選手を適材適所に置き状況に応じて戦い方を変えるペップグアルディオラ相手に。この時観戦してた人の中に「ヴァランに失望した」「戦犯ヴァラン」と言ってる人が少なからずいたけどそれは間違ってると思う。

あぁペップの失点して焦って水飲む顔見たかったなぁ

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終わり


このパートはここで終わりです。基本的なプレス、パリにはある程度通用しました。それは攻撃面で圧を掛けられている&パリのバック陣とキーパーのビルドアップ面の能力によるものです。バルサには例外的なプレスを用意した、しかしシティには特別な対応は打てずと3つの試合をサンプルに比較してみました。続編ではこの内容を踏まえコロナ中断明けから現在に至るチームの変遷を2つの面から書きたいと思います。

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