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【#VOICE】つくば市科学技術戦略課課長 中山秀之氏 インタビュー後編

「地域の方々と一緒に考えていける自動運転」を目指しているヤドカリドライブにとって、現地の方々の声はとても大切な要素です。
各地で行っている実証実験では、乗車後アンケートや関係者へのインタビューなどを行い、そこから得たアイデアやアドバイスを今後の開発のために活用しています。
【#VOICE】では、自治体の担当者の方へのインタビューをご紹介します。初回は2024年9月末から10月上旬にかけて実証実験を行なった、茨城県つくば市。つくば市科学技術戦略課課長の中山秀之氏へのインタビューを前後編に分けてご紹介します。

>前編の記事はこちら


ヤドカリドライブに乗ってみて

安部
今回ヤドカリドライブをつくば市で初めて走行させていただいていて、先ほど中山さんにも乗っていただいたんですけど、正直なご感想いかがでしたでしょうか?

中山
率直に感想を申し上げると、もう少し早くてもいいかなという気持ちはあります。あと、ゴルフカートをベースにされているということでしたけれども、座り心地がとても良くて、今日のような涼しい天気の中だったら、どこまでもこれで行きたいなんていうような気持ちはちょっとありましたね。すごく快適に乗らせていただきました。

中山さんに実際に乗っていただいた様子

「世界のあしたが見えるまち」

安部
あのゴルフカートはグリーンスローモビリティ*というカテゴリーになりますので、時速は19キロ以下ということになります。今回は初めての実証実験だったので、まだ周りの方々も何だこれは?っていう気分だったと思うので、時速3〜5キロで走ってましたけど、もしこれが少しルールが変わってきたり、あるいは専用道路みたいなものが設置されてくると、やっぱり10キロとか15キロで移動ができるようになっていく。そういったことも今後検討していく上で非常に重要なことかなというふうに思っています。
つくば市は自動運転だけじゃなくて、物流とか医療とか、本当にいろんな先端技術のことに取り組みをされていて、人口も増えていますが、やっぱり日本全体としては人口がどんどん減少していって、こういうデジタルとかロボットとか、そういったことがこれからの日本を救う一つのアイデアにもなっていくんじゃないかと思うんです。そういったことの今一番先頭を走ってらっしゃるつくば市ですが、今後の市の将来っていうのはどういうものを目指してらっしゃるんでしょうか。

中山
市長が市のミッションとして掲げているのが、「世界のあしたが見えるまち」という言葉なんです。これは国費2.6兆円を投じて約60年前に建設されたこの筑波研究学園都市、今こそ恩返しをしなきゃいけないというような思いが込められていると聞いておりますけれども、私も全くその通りだなと思ってまして。今、日本全体、いろんな市町村がだんだん衰退している中で、衰退してから何か投資をして頑張ろうってのはなかなか大変なことだなと思うんですね。幸い、つくばの場合は人口が今増えていて、また市民の科学技術に対する理解も大変高いエリアですので、まずはつくば市が抱えている課題に新しい技術を使って、ここでうまくいったモデルを他の地域でも使っていって、もう一度日本全体を元気にしていっていただけたらなという思いがありますので、ぜひ東海クラリオンさんも、ここでうまいモデルを作っていただいて、全国に展開していただけたら嬉しいなと思います。

子どもの送迎を視野に入れた実証実験を実施

安部
それは本当に僕らも頑張っていきたいと思いますし、やっぱり「あしたが見えるまち」っていいですよね。若い人もたくさんいますし、その期待感もどんどん高まっていけるようになればいいかなと思います。このヤドカリドライブをまだまだ自分たちとしてはサービスを向上させないといけないと思うんですけど、中山さんが何かアドバイスをいただけるとしたら、どういった点を改善していったらいいと思うでしょうか。

中山
アドバイスというか、そんな偉い立場じゃないんですけども、つくば市はご存知の通りにいろんな先端的な技術を使った実証実験など本当に数多くやってきたんですけれども、それが本当に社会に実装されるっていう例っていうのは必ずしも多くなくてですね。やはり実証実験の先のビジネス化といいますか、持続可能な形でどのように運営していけるかっていうのが非常に大きな壁だというふうに感じています。なので、今回の実証は、これからまた技術やサービスの向上につなげていく材料としていただいて、その先でどういうふうにこの地で事業として成り立っていくかというところを一緒に考えさせていただけたらなと思っています。

安部
はい、頑張っていきたいと思います。今回乗っていただいて、楽しいとか、楽だねとか、非常にいいご意見を乗っていただいた方からいただいてるので、それが僕の励みになりますし、そういったところから社会に根付いていく自動運転をつくっていきたいと思いますので、今後ともぜひご協力の方よろしくお願いいたします。

中山
よろしくお願いいたします!

*グリーンスローモビリティ:時速20km未満で公道を走ることができる電動車を活用した小さな移動サービスで、その車両も含めた総称です。導入により、地域が抱える様々な交通の課題の解決や低炭素型交通の確立が期待されます。

国土交通省 ウェブサイト

こちらの記事はインタビュー動画を再編して掲載したものです。
>動画をご覧になりたい方はこちらから


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