ご無沙汰しております、宿です。



発表当初、あまりに長く感じた3ヶ月は
思いのほかあっという間に過ぎ、

あんなに待ち侘びていた二日間は
夢かと思うほど瞬く間に終わり、

愛した4thツアーは
とうとう、幕を閉じました。




満を持しての東京ドーム公演、
パフォーマンスの感想を書き始めたら
流石にキリがなくなってしまうので、

今回はこのツアーのテーマ曲である
『何歳の頃に戻りたいのか?』を中心に
ツアーの総まとめといいますか、

東京ドーム、という場所にも寄せて
書き残しておこうと思います。



終わりと始まり

元々、福岡〜神奈川公演では
『何歳の頃に戻りたいのか?』は本編のラストに披露されていました。

これはそういう慣習、みたいなところもあり、
(ツアー開催時の最新表題が最後がち)
特に違和感もないセットリストです。


本編ラストに披露される『何歳の頃に戻りたいのか?』は
映画のエンドロールみたいでした。


テイストはまた違いますが、
個人的にサードツアーの『桜月』も
エンドロールだったなあとは思っていて。


サードツアーのエンドロールは
儚く散りゆく花びらのようなエンドロール。

“この時間”が終わってしまうことへの名残惜しさ、
バッドエンドではないけど、
ハッピーエンドでもない。

きっとこの余韻から
一生、抜け出すことはできないのだろうと思わせる
尾を引いた終幕。


一方で4thのエンドロールは
花びらがもう一度舞い上がるような終わり方。

言うなれば「To be continued...」でした。

彼らの冒険はまだまだ続く。
続くったら、続く…(オー⚪︎ド博士)

クライマックス感を演出しつつ、
未来への希望を見出して終わる。

終わった後に
スタンディングオベーションをしたくなるタイプの
エンドロールだったわけです。


とりわけ『何歳の頃に戻りたいのか?』に関しては
欅坂46時代に最後に出したシングルと同じ、
「8枚目」のシングル。

どうしても、欅坂46時代を知るファンからすれば
区切りと思わざるを得ない枚数でもあり。

ただ、だからこそ
「まだまだ止まらないよ!」という
気概をも示してくれているこの終わり方に、
この先の輝かしい“続編”を期待せずにはいられないのです。



ところが、一変して東京ドーム公演では
『何歳の頃に戻りたいのか?』を一曲目に据えてきました。

「そうきたか!!」と思うと同時に、
「確かにこの曲は“始まりの歌”かもしれないな」と
個人的には腑に落ちたんです。


むしろ、東京ドームという場所だからこそ、
『何歳の頃に戻りたいのか?』を最後にやるわけにはいかなかった。

もちろん、ツアーとして集大成だったことは確かですが、
彼女たちの中で“あくまで通過点”である東京ドームで
「To be continued...」してしまったら、
否応なしに区切りがついてしまう。

実際、ドーム公演を迎えるまでの私は
そこに対して懸念がありました。

最高のパフォーマンスが見られるなんてわかりきっている東京ドーム公演、
最後に『何歳の頃に戻りたいのか?』をやられたら、
なんだか、“戻ってこられない気がする”。
そんな、少しの恐怖すらありました。


だから、一曲目にやってくれたのは
個人的にも嬉しかったし、
強いな、と思いました。

この曲を頭に持ってくることで
ツアー前半戦との対比ができる。

もう今からが“先の未来”だ。
『いつだってこの場所が、この瞬間が、
私たちの出発点で、最高到達点だ』。


もう続編は始まっていたのだと、
はたと目を覚ましたような感覚でした。


もはや、
前半戦に対する一種のアンチテーゼですらあったのかもしれない。





Go on back?

東京ドーム公演ではまさかの
セカンドツアーの演出が再登場する場面がありました。

モニターに映し出される波紋、
あの4つの音、

特に、当時足を運んだ人は誰しも
あの時の記憶がぶわあああと蘇るような感覚に襲われ、
脳内には「Do you know who we are?」が
流れたことでしょう。()


約2年ぶりの東京ドーム公演とあり、
開催前からやはり、引き合いに出されたのは
セカンドツアー千秋楽の東京ドーム公演。


メンバーも口々に
「空席が目立った」「自分たちの力で立てたわけではない」と話し、
誰も、あの日のあの光景に満足はしていないようでした。

でも正直、
ファンに動員を悔しがる筋合いはないと思うし
(自分の大好きなグループが思っているよりも評価されていない事実にこそ落ち込みはしたが)
あの日のライブは間違いなく、
あの場所にふさわしいだけの
最高のライブでした。

それだけは、どうしても否定してほしくなかった。
槍玉に挙げられてほしくはなかった。


だから、
今回セカンドツアー演出があったことは
「リベンジ」ではなくて、「確認」だったと思うんです。

あえて声出しのしやすい
『恋が絶滅する日』を持ってくることで
対比構造こそつくった。
そして声出しの良さも味わえた。

それと同時に、
塗り替えるだけじゃなくて、「あの時もよかった」と
思える瞬間になっていてほしいと
強く、そう思いました。



『何歳の頃に戻りたいのか?』の中に

“本当に あの頃 そんな楽しかったか?
きっと 特別 楽しくはなかっただろう”

という歌詞が出てきます。

前述の通り、
『何歳の頃に戻りたいのか?』が始まりの歌だとは
確かに思っていました。

それでも、私の中には
「結局この歌の言いたいことはここなのかな」
という雑念がこびりついていたんです。

あれもこれも“過去”になってしまうのが怖い私には
この上なく、酷な話でした。


秋元先生が傾向的に
二番に言いたいことを持ってくる節がある、
ということも踏まえてではあります。

でも、本当にそんな否定的な歌なのだろうか、
結局、“昔の否定”なのだろうか。

そこがどうも
納得がいきませんでした。

“櫻坂46のメッセージ”として、解釈違いだったんです。


でも、東京ドーム公演で
一曲目に披露された『何歳の頃に戻りたいのか?』を見てから、
そしてセカンドツアー演出を見てから
「やっぱり解釈違いだ」と思いました。

この歌の本質は、ここではなかった。



今思えば、当時は確かに盛り上がりに欠けたのかもしれない。
もちろん、今の方がいい。

でも、


“こんな今もいつの日か輝くんだ”と


そう思える日がくるのだと。



『何歳の頃に戻りたいのか?』は結局、
今を肯定してくれる曲で、

当時の“今”だった現在の“過去”も
全部全部拾い上げて、
抱き抱えて、未来へ連れていく曲でした。



少し前、
そうは思えなくなった自分に
櫻坂さんが身をもって
「否定していないよ、大丈夫だよ」と教えてくれたことを
伝えたいです。







東京ドーム公演は私にとって、
ずっとずっと「生きる希望」でした。

その分、この日が来てしまうことが、
4thツアーが終わってしまうことが、
とても怖かった。

でもこの二日間のおかげで、

「櫻坂46と生きていればまた
今日みたいな瞬間に出会えるのだろう」

そう思えました。

むしろこちらが言いたい。

ずっとずっと、そばにいてください。
そばに、いさせてください。







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