〜【船霊といのり】エピソードトークより〜
海の博物館での展覧会もいよいよ1週間を切ったので、ここからは漁師の親からの聞き語りも含め、今回の展覧会に関するエピソードトークを記して行こうと思う。
その前に、今回の展示に来てくださった方数名から、私がアーティストだという声をいただいた。
私自身も今回の展示構想を練り上げていく中で、私のやってることって『アーティスト』なんちゃう?って思ったりもした。
が、私の肩書きは自由に決めて呼んで貰えばいいが、9年前に拙書『いのちをつなぐ海のものがたり』を作り終わったあと、自分で掲げた「イラストレーター」という肩書きへの長年の違和感が解かれたあの感覚を今でも忘れない。
私が本当にやりたいのは自身の生き方を投げ打ったドキュメントで、私に肩書きをつけるとしたら『表現者=パフォーマー』が1番しっくりくる。
常に人の反応が見たい(自分の人生体験を切り売りして)。
表現手段は絵でなくてもいい。トーク、陶芸、書道、料理、文章etc…なんでもいい。
私がその時一番興味があって心が突き動かされるものが「テーマ(題材)」だ。
そしてそれら(絵、イラスト、トーク、陶芸、書道、料理、文章etc...)は、私のパフォーマンスのためのツール(材料)に過ぎない。
「テーマ(題材)」いついて言えば実家の一次産業は、パフォーマーの私にとって格好だった。
テーマが魅力的である。
自然を読む知恵、常に死と隣り合わせが故に目に見えないものに執拗にすがる風習などなど…
あと、道を歩く通りすがりの人でも例えば薬局で働く人でもなんでもいいが、何かを狙う格闘家の目つきほど私が惹かれるものはない。これも私のパフォーマーとしての「テーマ(題材)」の一つ。
あんなに憧れて止まなかったイラストレーターという職業は単に脚光を浴びたかっただけの承認欲求に過ぎなかったもしれず…
承認欲求はいい。私が大学生の頃から惹かれていたジャン=ミシェル・バスキアの「有名になりたい」と言って死んでいき、死んでからなお有名になりすぎたあの承認欲求は私には格好良すぎた。
いや、イラストレーションは好きだし今もこの仕事をたくさんの方にいただけ、社会に位置付けられる事に感謝も幸せも感じている。
が、それ以上にこのイラストレーターという肩書きに対して違和感が拭えずにいたのは、そもそも私の生き方がイラストレーターじゃないからだ 笑。
(そしてイラストレーションの世界では私の力不足なのか震えたことがまだない)
というわけで、今回の展覧会は突き動かされるようにして私の本来のパフォーマー本能がフル稼働したわけだが、今まで観覧してくれた幾人もの方が、会期終了までにもう一度見に行きたいといってくれた事に驚いた。
これは私だけの力ではなく、この展覧会にのっかった様々な人の思いによる力が大きい。
海の博物館、私の記憶の中にいる海の博物館の前館長の故石原義剛氏、船霊様、動画制作の戸高翼、カメラマンの高田沙織、制作風景を納めてくれた永田沙織、一緒にいってくれた岐阜の仲間たち、この展覧会を注目してくれた人々、私の生まれた環境、etc…。
人が突き動かされる時は、間違いなく自分以上のなにかが働いてる時だ。
今回の展覧会で改めて私には「表現者」という肩書きが1番落ち着くことを再認識したと言う話でした。
エンディングみたいだけどまだラストスパートは始まったばかりなのでお見逃しなく~笑
引き続き、矢田勝美展【船霊といのり】を、どうぞよろしくお願いいたします。
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【企画展】矢田勝美 展 「船霊といのり」
【日程】2020年7月20日(月)~10月11日(日)
【会場】鳥羽市立 海の博物館
@sea_folk_museum
【住所】〒517-0025 鳥羽市浦村大吉1731-68
【開館時間】9:00~17:00
【TEL】0599-32-6006
【入場料】大人800円/大学生以下400円
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【いのりの映像公開中】
2020年9月5日(金)~10月11日(日)
▷映像制作:#戸高翼 @tsubasa_syouten
▷音源:#津田貴司
▷協力:#海の博物館
▷写真:#高田沙織 @saori0031
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