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誤解だよ、ギフテッド

皆さま、こんにちは。
皿に残ったトンカツの脂身的5流ライター、夕嶺雷太と申します。
世間の隅で膝を抱え、目立たず生きていくのが目標ですので秒で忘れてください。

突然ですが、最近よく「ギフテッド」という文字を目にしませんか?
「しません」と言った方、お帰りはあちらですありがとうございました。

私は関心があるせいか、よく見つけます。
大体がネットの記事なので、見つけるたびに読んでモヤッとします。
記事にはこんなことが書かれているからです。

ギフテッドとは、著しく高い知的能力を持った子どもたちのこと
・ギフテッド児は、こんなすごいことができる

そしてこう続きます。

・彼らには高知能であるがゆえの生きづらさがある
・発達障害と診断されることも
・日本では支援が遅れていて対策が必要

「木を見て森を見ないどころか、森林伐採級の節穴説明だな?」

喧嘩を売りたいわけではなく、純粋にそう思います。

「ギフテッドは超天才!」
「ギフテッドは突き抜けて成績優秀!」

その説明、本質から遠ざかりすぎでは?

何故こんなプロパガンダに踊らされなくてはいけないのか……
悪意ある扇動、意図的に情報をねじ曲げる行為に戦慄さえ覚えますよ。
というわけで、食べ残しの5流ライターことギフテッド100人中100番目の底辺ギフテッド(当社調べ)が、そのイラついた衝動のままに思ったことを書き連ねます。
死ぬほどヒマでしたらおつきあいください。

「素晴らしい天才」という誤解

美味しいワインにも高いものと安いものがあるように、「高い知的能力を持った人」にもピンとキリがいます。
ハイスペックな頭脳をもった人を「ギフテッド」だというのなら、そうはいってもピンキリだよ、ということを明確にしなくちゃいけません。
情報の一部だけを取り上げて面白おかしく語るのは、メディアの十八番。
自分は絶対に洗脳されていないと思っている人は間違いなく洗脳されているあの法則ですね(真理)。

「著しく高い知的能力を持った人」だと……?
高知能者が全員アインシュタインみたいなやつだと思うなよ!

高知能者が全員アイン(以下略)

これぞギフテッド

IQ150超えの「ハイリーギフテッド」と「それほどでもないギフテッド」が存在することを、日本人のほとんどは知りません。
「ギフテッド」という単語を知っている人の大半は「天才のことでしょ」と思っているでしょう。
滅多にいないようなすごい天才だと思っていますよね? ねっ?(大声)

それはハイリーギフテッドのことです。
たしかにハイリーは少ないです。
IQ160を超えるような高知能者は、そうお目にかかれません。
でも「それほどでもないギフテッド」なら、わりと普通にいます
彼らは天才ではないが、凡人でもない。
なぜかそのことには誰も触れません(当事者以外は)。

ギフテッド関連の記事を見ると、いつも思うのです。

「ギフテッドをどう定義し、どう扱いたいのかまったく分からん」

幼児が難解な図形問題を解いたとか。
大人にもできないようなことをやってみせたとか。
たしかにハイリーギフテッド児の行動は、目立って記事になりやすいです。
でもそれだけを取り上げていたのでは、ギフテッドと呼ばれる人たちのことを理解することはできません。
理解できなかったら、救済もクソもありませんよね?

断言しましょう。
ギフテッドのことを知りたいのなら、ハイリーよりもよほど数の多い「それほどでもないギフテッド」のことを知らなくちゃいけません。
「小学校低学年なのに、大学の数学を解いているすごい子」だけを取り上げた記事は、ギフテッドに対する誤解を助長するだけです。
そして「それほどでもないギフテッド」が「浮いてるヤツ」とか「変わってるヤツ」とか「障害児」とかラベリングされて、活躍の場から追いやられていくのです。
彼らの社会的な最終形態は、持ち腐れて腐臭がする宝の残骸ですよ。もったいないと思わないんですか。あぁん?

せっかくの宝(能力)を活用しようぜ

日本人はもっとギフテッドの能力を活用すべきです。
底辺のギフテッドだって、分野によっては凡人以上の高い能力を持っているわけですからね(ソフトな自虐)。
国益のためでも3丁目町内会のためでもいいので、使わなくては損です。

ギフテッドには個々に得意ジャンルがあります。
スポーツに突出する場合もありますので単に勉強ができるのとは違います。
なお、日本の学力偏差システムはギフテッド児を発掘するどころか大半を埋もれさせます。

ギフ「先生、これがぼくの答えです!」
先生「なんだこの式は? ちゃんと教えたとおりの解き方でやりなさい」
ギフ「でもこっちのほうが早いし簡単ですよ。答えは一緒だし――」
先生教えた通りの書き方をしないなら、○はあげられない!
ギフ「???」

学校はそんな感じで、ギフテッド児に「勉強ってくそつまんねー」と思わせるに十分なアレコレをしてくれます。
すべてにおいて子どもより自分が優れてると錯覚した教師の多いことよ。
釈迦に説法遺伝子でも入ってそうなあの人種はなんなんでしょうね。
せめて人格と尊重ってものについて、幼稚園から学び直しが必要なレベルだと自覚して欲しい。

話を戻しましょう。
ギフテッドの能力を活用しようと思ったとき。ハイリーにだけ焦点を当ててはいけません。
凡人がハイリーをチヤホヤしたって無駄です。どうせ平均的な知能の人たちにその子の本当のすごさは理解できないし、その能力の恩恵にあずかろうと思ったところで、活用できはしないからです。

ギフテッドのことは、ギフテッドにしか分かりません。
平凡な人がハイリーのことを「あの子は本当にすごいんだから」などと、訳知り顔で語るのは愚の骨頂です。
彼らの凄さの10分の1も理解できない凡人の皆さまは、このことを肝に銘じて欲しいです(とことん喧嘩を売る)。

この子の行動の意味が分かるだろうか

知能指数(IQ)の差が20ほどあると、会話が成立しない

というのは、ギフテッドであるなら普通に体感できる常識です。
本当はIQありきで説明したくないんですが……他に指標となるものがないので致し方ありませんね。

平均IQが世界第2位の日本人は、一般的に110程度のIQを持つそうです。
胡散臭 意外とやるじゃん日本人。
では「ハイリーほどでもないIQ130~140のギフテッド」は、この平均的な人たちと問題なく会話できるのでしょうか?
答えは「うーん……(苦笑)」です。

能力値が100人中100番目のギフテッドでも、ギフテッドでない人との会話はやってられません。
なにしろ無駄が多いんですよ、凡人の話って(追い煽り)。
だからハイリーギフテッドを活用しようと思ったら、ハイリーと会話ができる「それほどでもないギフテッド」を間に挟まないと、凡人の皆さまは意思の疎通すらできないということなんですね。はいここテストに出ます。

ボケーッとしているように見えても、頭の中では超高速回転で膨大な情報を処理し続けているのがギフテッド。
頭を休める、考えるのをやめるということを知らない。スイッチ切れるのは死んだときでは? そんな勢いです。
だからいつだって効率的に有意義な会話がしたいんです。
いや、くだらない会話が絶対に嫌とかではなくて、無意味な情報交換が時間の無駄というかストレスになるだけです。

堂々巡りの会議とか絶対無理です。
誰かを堕としたり羨んだり、そういう女子トークも無理です。
地球の気候は太陽活動の影響を受けていて、CO2 濃度の影響は受けていないからSDGsは欧米から始まった陰謀なんだよなんて話は大好物です。

政治経済にはあまり興味がありません。
国家権力にも興味がありません。むしろ嫌いです。
死ぬのは嫌だけど、人間死ぬときは死ぬから仕方ないと本気で思ってます。
ギフテッドの感覚って「普通」から相当ズレてます(だから浮く)。
なお、彼らの「なんでそんなこともできないの?」は、嫌味でなく本気の疑問から出たセリフですので誤解しないでやってください。

会話すらできないとしたら

IQ差が20以上あると、会話が成立しないとしたら。
140前後のギフテッドは、150前後のハイリーギフテッドと会話ができるはずです。
でも平均値110程度の人では、ハイリーと日常会話すらままなりません。
凡人からすれば会話しているつもりでも、ギフテッドはうんざりしていることでしょう。

IQ130程度のギフテッドであっても、平均値の人たちとの会話は疲れます。
余計な情報が多すぎて時間の無駄、話を続ける気にならないというのが率直な感想です。
大人が幼稚園児とずっと会話していなければならないとしたら、その苦痛が分かってもらえると思います(幼稚園児は可愛いので我慢できるけど)。

でもですね。
IQ130~140のギフテッドは、平均的な知能を持った人に「なんとか話を合わせてやる」くらいの技術を持っています。ギリッギリ会話になるってことですね。
ところがハイリーにはこれがない。
高速光通信の世界で生きている彼らにとって、ISDN回線に存在する人たちは日常会話を交わすことすら困難(苦痛ともいう)な相手なんです。
これがギフテッドの常識です。

こんな基本的なことすら分かっていないのに「ギフテッドとはこうだ、こういうものだ」という人が多すぎませんかね。
ハイリーだけがギフテッドだと勘違いした人が、さも知った風に「IQ130以上のギフテッド児は……」とか記事を書き散らし誤解を広げているのを見ると○意を覚えますよ(ありもしない害意の表明)。

あなたや、あなたの身のまわりの人も

子どもの頃に理解が得られず、そのまま大人になってしまったギフテッド。
母親がギフテッドなら幸いですが、私のようにそうでない人は結構な苦痛を抱えながら子ども時代を過ごすことになります。

そうして大人になったギフテッドは、自分が「高知能であるがゆえに生きづらい」ことを知らずに生きている場合が多いです。
これを読んでいるあなたも、もしかしたらギフテッドかもしれませんね。
「それほどでもないギフテッド」は、案外近くにいるのです。
下記のいくつかが当てはまる人は、ギフテッドの可能性があります。
これを読んでいる時点であなたが死ぬほどヒマなのは分かっていますので、ついでにチェックしてみてください。

・うまれてこのかた、他人を羨ましいと思ったことがない
・情報がすべて脳内で文章や映像に変換されて処理されていく
・パニックになって思考停止したことがない
・幼少期、宇宙のような巨大なものと繋がっている感覚があった
・知的好奇心が体感で人の3倍以上強く、気になるととことん調べてしまう
・そうして理解したり真実を見つけたりすることに大変な喜びを感じる
・驚いて叫んだり興奮して騒ぐ人を見るとすごく冷める
・ナニカに没頭していると寝食を忘れて数時間が経過している
・そんな没頭している最中に作業を邪魔されると猛烈なストレスを感じる
・差別は嫌いだが区別は大事だ
・味覚や嗅覚、触覚などが異常に鋭くて日常生活に不便を感じることがある
・社会的地位が高いというだけの人を賞賛できない
・感受性が強すぎて人が感動しないような場面でもウルッとしてしまう
・最悪の事態を想定するのは対策を立てるためであって悩むためではない
・常になにかを考えている(大体が客観的・俯瞰的)
・マウントを取ろうと頑張ってる人の心理が本気で理解皆無

まだまだありますが、ごく一部の特徴を挙げてみました。
仮にあなたがギフテッドでも、これらの特徴に当てはまらないかもしれませんので参考まで。
HSPやアスペルガーといわれる人たちと似通った特徴も多いんですよね。
この境界もけっこう曖昧です。
なお、ネット上に誤った記事が散見されますが、外見でギフテッドを判別することはできません。

発達障害児と誤診されるギフテッド児たち

知能指数ねぇ……

そもそも、ギフテッドをIQで見分けようとすることに無理がありませんかね? 換算不可能な能力が多すぎるのに。
「IQテストをすれば障害児かギフテッド児か分かるよ!」だなんて、ヘソがにゃ~んお茶を沸かします。

子どもの代表的な知能検査といえば、ウィスクラー式知能検査、WISC(ウィスク)です。
これで知的能力値とやらが分かるそうで、希望すれば学校に斡旋してもらって受けられます。でもね。

「それでIQ値が出たからなんなんだ?」

というか、分からんですよ、これで知的能力値なんて。
WISC自体に偏見はないです。それなりに歴史のある検査方法ですし、ちゃんと検査できればある程度の信憑性はあるでしょう。が。
検査する人たちが人たちなのでそれ以前の問題なんです。
出ませんよ、信頼性のある結果なんて。出るわけナッシング。

子どものIQテストが公共機関でどのように行われているか、知る人は少ないでしょう。
もしかしたら、それなりにマシな結果を出すところもあるかもしれません。
でもそのほとんどが「発達障害かどうかを判断するための心理テスト」として実施されていることを考えれば、結果は疑わしいとしかいいようがないです。
下手したら玄関くぐる前から障害児扱いですからね。
なんだあの色眼鏡野郎共。そんな感じのところです(偏見の断定)。

私が長男を連れて行った場所には、子どもをテストする資格とやらを持った人の話すらまともに聞けないカウンセラーたちがいました。
「この人たちが検査官?」と思ったら、案の定な結果が出ましたよ。
そのとき、長男は全検査IQ80程度という判定をいただきましたw
80でも-80でももうなんでもいいです。結論として「WISCでは(換算不可な能力を持つ)ギフテッドを見分けられない」ことが分かりました。
それが分かっただけでも収穫があったと思うことにしましょう。

なお、私が見る限り長男は紛れもないギフテッドです。
ディスグラフィア持ちですけどね(日本の学校で致命的なやつ)。
試しに、検査でどんなことを聞かれたのか長男(当時小4)に聞いてみました。

長男「『バスや電車ってどういうものだと思う?』って聞かれたな」
私 「バスや電車……? それで、なんて答えたの?」
長男「意味分かんないから、とりあえず『走る?』って」
私 「おお、動詞が出たよ……(ギフテッドらしい回答だ)」
長男「なんだろう、まさか『乗り物』とか言って欲しかったのかな」
私 「あー」
長男「とにかくなにが聞きたいのかよく分からなかった」

後で担当の検査員に聞いてみたところ「『公共の乗り物』であるとか、そういう答えが欲しかったんですよねー」と言っていました。
阿呆かな?
それは秀才が出す答えであって、ギフテッドの答えじゃないですね。
そういう回答を期待するなら、もう少し設問をなんとかしろ。
そんな風に思いました(回想終了)。

ギフテッドを学習障害児、発達障害児と誤認することは多いでしょうね。
実際に集団生活になじめないので、低知能色眼鏡野郎共が判断すればそうなるだろうと予想できます(暴言)。

強い感情作用。驚異的な集中力。強い知的好奇心。
ギフテッドのそういう特性を、あんなテストでどう判別してどう数値化するのか……無理があるよねw ってなんで思わないんですかね?
学校関連のああいうのは、しょせん障害児認定するためのものなんだなー、ということを理解した一日でした。

お子さんがギフテッドかもしれない、と思ってるお母さん。
IQテストを受けに行くときは「まともな結果は出ないかもしれない」ということを、頭の片隅に置いておいてくださいね!

まぁそんなわけで、まわりから勘違いされて生きづらいのはハイリーだけじゃありません。
「高知能であるがゆえの生きづらさ」を持つギフテッドを救済したいなら、なぜハイリーよりもよほど数の多い「それほどでもないギフテッド」を話題にしないのか。謎です。

IQテストで無理なら、どう判断するんだよ?

ギフテッドなのか、障害児なのか。
曖昧ですねぇ、非常に曖昧な境界です。
ギフテッドとHSP高知能者なら、ピタゴラスの定理と三平方の定理くらいの違いだろうと思いますが。

先に述べた例のとおり、低知能な人間が高知能な人間を判別することはできません。
幼稚園児が科学者を見て「なんて素晴らしい技術を擁した人なんだろう!」と感動しますか?
しませんよね。それと同じです。そもそも理解できない。

ギフテッドは興味のあることにしか高い能力値を示さないので、学業優秀かどうかで見分けるなんてのもナンセンスです。
うちの長男でいえば、0点と100点を取ってくる極端さがあります。
国語のテストなんか問題読んでもいないですからね……名前すらも書かないという興味のなさ加減。
文字自体書きたくない俺。大人と対等に話すし本も読めるけど字を書くのはクッソ苦手。そんなギフテッド児です。

逆に理科で天体・電気なんて出てきたら、無勉強でも100点です(字が汚すぎて×をもらうけど)。
先生に教えるくらいの知識をどこからか仕入れてきてますので。
図鑑をふたつ並べて重箱の隅をつつき、この名前は誤植じゃないか、出版社に問い合わせてとか言われる始末です。

IQテストや学校のテストで平均よりも低い値が出たからといって、高知能でないという証明にはならないわけです。
じゃあ、ギフテッドであるかないかはどうしたら分かるのでしょう?

簡単なことです。
ギフテッドは、ギフテッドであれば判別できます。
ギフテッドと会話が成り立つ相手は、ギフテッドです。

クラスで浮いている子は、大体ギフテッド

小学校の1学年が、全体で120人程度いるとしましょう。
実感として、同学年にひとりかふたりはギフテッドがいるんじゃないでしょうか。調べてないので実際のところは分かりませんが。

ギフテッドはとにかく集団から浮きます。
言動が子どもらしくないこともあって、同年代の中で浮きまくります。
いつでも知的なことを口にしているのかと言ったら、そんなことはありません。どちらかというと阿呆に見える子もいるでしょうし、あまりしゃべらない子もいるでしょう。
いずれにせよ浮くのは間違いないです。
同じものを見ても違うことを考えているので、みんなと似た反応ができないんですよね。
本人は普通に行動しているつもりでも、どこかで浮きこぼれてしまうのがギフテッド児です。

秀才は正答を、ギフテッドは疑問を

ギフテッドの大半は天才じゃありません。もちろん秀才でもないです。
強いて言うなら、英才ですかね。

秀才といえば努力がつきもの。彼らは教科書に沿って勉学に励み、テストとくれば高い評価を叩き出します。大人からの信望も厚く品行方正。出○杉くんですね。
かたやギフテッドは、単に己の知的好奇心を満たすために行動します。
方向性が合っていれば、秀才が努力で手に入れられない高みに到達するでしょう。算数が好きな子を例にすると分かりやすいです。
ギフテッドは相手が大人だろうと、理不尽だと思うことには反論します。
これが生意気に見えるので大体評価が下がります。

テスト問題に正しい回答を書くのは秀才です。
教科書通り! 素晴らしい! 先生からすれば理想の子どもです。
ギフテッドは「なぜこんな書き方なのだろう、こうではいけないのだろうか、この答えはおかしいのじゃないか」そんな風に余計なことを考えて先に進まなかったり、先生を質問責めにして集団行動を乱します。
学校の勉強に意味を見出せないと、悲惨な成績になるのもギフテッド児の特徴のひとつです。

ギフテッドを見つけるとうれしくなるギフテッド

これは余談ですが。
普段は身近にいなかったとしても、ひょんなところでギフテッド同士が出会うことがあります。
会話のキャッチボールが成立するので、相手も自分もうれしくなります。会話ができる相手はギフテッドにとって貴重なのです。
子どもの頃って、同じギフテッドの友達を見つけられるかどうかで学校生活がかなり変わります。
うちの長男にはなんとギフテッドの友達がいます。しかも近所に。

リビングでゲームしている彼らの会話を聞くのが私の楽しみです。
ロシア国歌を大音量で流しながらクリミア問題について語る長男友人と、クリミア問題に興味はないけれど、ロシア国歌の旋律には興味のある長男。
そこら辺の大人より、世界情勢(しかも湾曲されてないほうの)に詳しい12歳児も普通じゃないですが、ロシア国歌を音程外さずに歌いリコーダーで吹けるようになった長男も大概です。
こんな脳内カオスな子たちが、集団で浮かないわけがない。
ギフテッド児にゲームやインターネットを与えると、大体手のつけられないことになりますね……
彼らへの情報の与え方は親の課題のひとつです。

天分は持って生まれるもの。才能は引き出すもの。

とは、シャネルの創設者、ココ・シャネルの言葉でした。
別にシャネルが好きなわけではありませんが、これには完全同意します。
ギフテッド児たちの才能を潰しまくっている日本の教育界よ。
棺桶に片足突っ込んだ体で権力にしがみつく文部○学省の老害共よ。

未来ある国の宝に活躍の場を与えないどころか、奪うのをやめようぜ。
なんでもかんでも均一化するとせっかくの高IQ児も死んじゃうから。
集団行動大事って考え方、一理あるけど真理じゃないんだ。
秀才の勉強方法が、英才や天才にも当てはまると思わないで欲しいデス。

理解されにくいナントカ過敏症

言い忘れてたので、ギフテッドの特徴についてもうひとつ。
過敏症、って聞くとアレルギー的なものを連想しますよね。
え? 知覚過敏?? あー、おしい。
そういうものではなく、嗅覚、味覚、聴覚、触覚とかの過敏症です。

ギフテッドは少なからず、ナニカに過敏な体質です。
長男は絶対音感のせいもあって恐ろしく耳がいいです。
そして聴覚よりも過敏なのが触覚ですね。幼児期は首の後ろのタグが最大の敵でした。
すべてのシャツからタグを除去せよ……! そんな宇宙からの指令に従い、タグをチョキチョキするのが母の役目です。

小6になった今、タグは我慢できるようになりましたが、着るものすべての素材にうるさい性質は変わりません。
彼は冬でも半袖Tシャツと短パンしか着ません。外に出るときはさすがに上着をはおりますが明らかに薄着。氷点下だぞ、オイ。
不快なものが触れるくらいなら、寒くても着ない方がマシという理論らしいです。
それで「ちゃんと上着を着てきなさい」と怒る学校の先生もどうかと思いますが。この先生、心配してるんじゃないですよ、念のため。
薄着の子を見ると死んでしまう病じゃあるまいし、少なくとも声を荒げるような事柄ではないと思うんですが。
着なくても風邪引かないし、本人がそれでいいって言ってるんだから放っておいてやってくんないかなー。
「みんな同じじゃなきゃいけない理論」には親子共々辟易ですよ。

ちなみに、大人のギフテッドも似たようなもんです。
花粉症とかのアレルギーであれば周りの反応は「大変ね、大丈夫?」で済みますが、嗅覚過敏や触覚過敏なんてまるで分かってもらえません。
「うわっ、柔軟剤臭い! 無理!」って言うと
そう? 気にしすぎでしょ」って言われます。

本当に苦痛なんだ……
本気と書いてマジと読むほど耐えがたいんだ……
嫌なものは嫌なんだ……

って言い続けると「わがままだなぁ」で終了です。
生きづれぇなぁ。

遺伝性あるある

ギフテッド特性の発現って、ほとんどが遺伝性だと思います。
私は父から受け継ぎました。
父は幼い頃から大病持ちで、教育もまともに受けられない貧乏人でしたが、オールマイティーギフテッドでした。
ちなみに私には3人の子がいます。みんなギフテッドです。
全員まったく違うタイプですが、共通していえるのは「どの子もちゃんと話が通じる」こと。

よくギフテッド児が「癇癪を起こして大変」って聞きます。
幼児期ならともかく、学童期になってそういう傾向がある場合は親の対応が間違っているのでは……と思うんですよね。

というのも、子どもが「イヤ!」と叫ぶとき、求めているものはひとつだけだから。
それは尊重です。
産まれたときから人格を尊重されていれば、反抗期なんて何処かに置き忘れてきますよ。
ギフテッド児は基本、話せば分かる。超理性的ですので。
一歩外に出れば生きづらいんだけどね!

唐突なまとめ

そんなわけで言いたいことも言ったし、この辺で閉店したいと思います。文字数が1万字超えそうなので。
凡人の皆さま、少しはギフテッドを理解してもらえたでしょうか。
なお、私に大義は皆無です。
自分のモヤッとする気持ちを解消したいがために書きました(超私怨)。

頭痛が痛いと思えばそう書く5流ライターですので、なにかのお役に立てたとも思えませんが、ひととき楽しんでもらえたのなら幸甚です。

こんなとってつけたような産廃文字を最後まで読んでくださって、大変ありがとうございました。
もうお会いすることはないでしょうが、どうぞお元気で!

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