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年間コース観察会2024 第3回 (5月)
第3回のテーマは「新緑の虫」。両日とも天気はビミョーでしたが、参加者の皆さんの熱意のお陰でたくさんの虫が見つかりました。
ちょうどアカボシゴマダラやゴマダラチョウの羽化シーズンで、高い所を翔んでいる姿が見られました。尾っぽのないナガサキアゲハの♂も吸水していましたね。
土曜日のハイライトは、オナガバチの一種の産卵、ツタの上にいたベッコウガガンボ、ツツジの枝につかまっていたゲホウグモでしょうか。日曜日はアカシジミをお見せできたのと、Tさんが見つけたぷりっぷりのナシアブトハバチの幼虫が印象的でした。両日ともサインペンを使ったカベアナタカラダニの閉じ込め体験が好評でよかったです。同じ季節の同じコースですが、土曜、日曜と参加する人によって違う虫が見つかるのが本当に不思議です。
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前半はアジサイに隠れている虫を探しつつ、林縁を歩いて植物上の虫を探しました。茂ったササと低木とつる性植物で構成される「植物の壁」は、手すりと並んで虫が見つけやすいポイントです。手すりと違うのは「その植物を食草とする虫」も見つかることでしょうか。サルトリイバラの葉裏ではトゲトゲが目立つルリタテハの幼虫が見つかりました。前回は卵だったので約1ヶ月でずいぶん大きく育ったものです。
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後半は、ナツヅタのからむ御神木(?)でアカガネサルハムシを観察し、センニンソウでオオアカマルノミハムシ、イタドリではキボシツツハムシとキボシルリハムシ(ややこしい)が見つけました。やはり新緑の時期の主役はハムシなのかもしれません。
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課外では、霊園の林縁を1時間ほど歩き、クスノキの花に集まるオオホシカメムシを観察したり、セアカヒラタゴミムシの匂いを嗅いでむせたり(酸っぱい!)オビマルツノゼミを同定したり、ダイミョウキマダラハナバチが草をくわえて眠っているのに驚いたりしました。
ちなみにBさんが見つけた見慣れぬカメムシについてサポートのGenita_Kさんが調べてみると、去年東京で初確認された「ヒラタトガリカメムシ」と判明しました。元々は中国・台湾、南西諸島に分布する虫ですが近年北上しているそうです。多人数で歩くことで面白い虫が見つかるのが観察会の醍醐味ですね!
6月はいよいよ遠足的な企画で山の虫を探します。天気が良いことを祈りつつ、体調を整えておいてください。それではまた!